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ロナウジーニョ「早く帰りたい」
バルサ愛を語る一方で勾留長期化。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2020/06/20 20:00
2007年、メッシにアドバイスするロナウジーニョ。バルサで輝いていた頃の彼が戻ってきてほしい。
捜査当局は10数人を逮捕したが。
パラグアイの捜査当局も、ここまで何の成果も挙げていないわけではない。
ロナウジーニョらが所持していた偽造パスポートと偽造IDカードは、番号は実在しており、写真と個人データだけが改竄されていた。
警察はこれらの身分証明書の本来の持ち主だったパラグアイ人女性2人を逮捕し、偽造に関与していたアスンシオン国際空港の出入国管理事務所の職員や元警察官ら10数人を逮捕した。
5月13日にはこれらの身分証明書を偽造したと思われる市内の会社を捜索し、数十枚の偽造証明書などを押収した。
しかし、ロナウジーニョと兄アシスが係わる犯罪に関してはまだ不明な部分が多く、ロペスを逮捕して取り調べを行なわない限り、事件の全容解明は困難とみられている。
パラグアイ紙のインタビューにて。
ホテルへ移って以来、ロナウジーニョは二度、メディアのインタビューを受けた。
最初のインタビューはパラグアイの日刊紙「ABCコロール」へのもので、4月27日の紙面に掲載された。
黒いベレー帽を被り、黒のTシャツに黒と白のバミューダという軽装で、髪の毛からもみあげ、顎ひげまで全部つながっている。顎ひげには、白髪が目立つ。
「パラグアイというと、1997年のU-17ワールドカップに出場して優勝したときのことを思い出す。僕が手にした最初の世界タイトルで、キャリア上、非常に重要な意味があった。そのパラグアイで、このようなことで長期滞在するとは予想していなかった。
入国した際に提示したパラグアイのパスポートが偽造されたものだとは、夢にも思わなかった。逮捕されたときはとても驚き、大変なショックを受けた。
捜査には全面的に協力しており、1日も早く釈放されてブラジルへ戻りたい。帰国したら、まず母親を抱きしめてキスをし、今回のことで心配をかけたことを詫びたい」