熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ロナウジーニョ「早く帰りたい」
バルサ愛を語る一方で勾留長期化。
posted2020/06/20 20:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
3月4日にロナウジーニョと兄アシスがパラグアイの首都アスンシオンに到着した際、入国審査でパラグアイの偽造パスポートを提示して入国しようとして拘束、逮捕されてから、6月11日で100日が経過した。
2人には、パラグアイの偽造パスポートと偽造IDカードを所持、使用したこと以外にも、彼らをパラグアイへ招聘した地元の女性実業家ダリア・アンヘリカ・ロペスの巨額の脱税やマネーロンダリングなどの犯罪に関与した容疑がかけられている。
ブラジルの隣国パラグアイへやって来た目的は、以下の3つとされている。
1)パラグアイ全土を巡回して貧困家庭の少年少女に無償で病気や怪我の治療を行なう、という触れ込みの移動診療車の発表イベントに参加する。この事業を推進するのは、ロペスが設立した「アンヘリカル友愛財団」(アンヘリカルはロペスのミドルネームをもじった言葉で、「天使の」の意味がある)
2)アスンシオンに設立されたオンライン・カジノのイベントに参加する
3)自身の半生を描いた『人生のスーパースター』のパラグアイでの発売告知イベントに参加する
しかし、到着した4日に1)の一部は終えたものの、その日の夜から拘束されているため、2)と3)は取りやめとなった。
ほぼ取り調べは受けずホテルに70日。
当初、ロナウジーニョは捜査当局の取り調べを受けながら警察の留置所に収監されていた。しかし、4月7日、兄と2人分の保釈金160万ドル(約1億7200万円)を納め、市内のホテルへ移った。それでも勾留されていることに変わりはなく、逃亡を防ぐため、外出は一切許されていない。
以後、ほとんど取り調べを受けることもなく、さりとて刑が確定して服役するわけでもなく、ホテルで無為な日々を過ごしている。ホテルへ移ってからだけでも、6月15日で70日が過ぎた。