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プレミア中断期間ベスト11を選定。
お笑いミルナー、ミーの男気って?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2020/06/09 11:30
コロナ禍でまさかのお笑いセンスを発揮したミルナー。再開後はぜひリバプールでの雄姿を期待したい。
ミーとアルデルバイレルトの男気。
CBコンビはベン・ミーとトビー・アルデルバイレルトだ。
バーンリーの力強い守りを支えるミーは、6月中のリーグ再開を強く望んでいた1人。リーグ会合では、無観客試合は止むを得ないとしても、中立スタジアムでの開催には反対意見が根強かったが、バーンリーの主将はBBCラジオで「場所が公園だろうが、不慣れなスタジアムだろうが、サッカーはサッカー。プレーできる」と断言。
第2子妊娠中の妻を持つ身でもありながら、「必要なら自己隔離のためホテル暮らしが長くなっても構わない」と言い切り、さらには「テレビで試合中継を観て、みんなに楽しんでもらいたいんだ」と男気を感じさせる理由も語っていた。
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アルデルバイレルトは5月後半、2019-20シーズンの「コミュニティ・チャンピオン」に選ばれたばかり。
この賞は、PFA(プロ選手協会)がクラブの地域支援活動を奨励する目的で設けている個人賞。移籍5年目のベルギー代表は、ファンが口々に「この男しかいない」と反応した最適の受賞者で「誇りに感じるし、これからも力を入れていきたい」と述べている。
学校や施設への訪問役を進んで引き受け、止むを得ない理由で直接会えない場合には、それが相手側の事情であれ、新型コロナウイルスが猛威を振るう以前から、代わりにビデオメッセージを送る気配りを忘れない心優しい大男なのだ。
GKハートはオンライン授業担当も。
ゴールマウスは、メンタルの強さで地域にも貢献したジョー・ハートに任せる。
GKとしてはまだまだ現役の33歳は、2017年までイングランド代表の守護神も務めたが、その前年に足下重視のジョゼップ・グアルディオラがマンチェスター・シティの監督に就任して以来、キャリアが急転直下で暗転した。
2年前から所属するバーンリーでも今季はカップ戦3試合出場のみ。『ガーディアン』紙のインタビューで「ドン底」の心境を認めたが、個人としても選手としても生まれ故郷に当たる国内中西部の町、シュルーズベリーからの支援要請はふたつ返事で快諾している。
ロックダウン中、地域の学校で体育のオンライン授業を担当しただけでなく、ホスピス救済目的のバーチャル・クイズ・ナイトの司会役も引き受けた。それと同時に、チームでの練習すらなかった期間中に「プレーしたい気持ちが一層強くなった」と、キャリア再生意欲も燃やしている。