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コロナ禍&五輪延期でどうなった?
卓球・水谷隼「まったく不安はない」 

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byJMPA

posted2020/06/08 11:40

コロナ禍&五輪延期でどうなった?卓球・水谷隼「まったく不安はない」<Number Web> photograph by JMPA

リオ五輪にて、シングルスで男女通じて日本人初のメダル(銅)獲得となった。

「東京五輪で卓球はやめると公言していますが……」

「僕はもともと2016年のリオオリンピックで卓球をやめる予定で、それが4年延びて、さらに来年……となったら選手生活が5年延びることになる。正直、いっぱい、いっぱいの状態なんですよ(笑)。怪我や苦労も年齢を重ねるほど増え、さらなる努力が必要になってきています。自分でも選手寿命がもうそこまできているなという感覚がある今は、いつ選手人生が終わっても受け入れられる覚悟は持てています。

 東京オリンピックで卓球はやめると公言していますが、もし続けられそうであれば、取り消してしまえばいいだけの話なので(笑)。その時にやりたいという意志があれば、続ける選択もするかもしれません」

「本当に楽しく卓球ができています」

――「毎日が必死」とおっしゃられていましたが、その状態をこの先1年続けることに思うところはありますか。

「昨年怪我が多かったと話をしましたが、思うような練習がほとんどできていなかったので不安はものすごくありました。それに、オリンピックが1年延期になったことで、ケガが慢性的なものになってしまうのではという不安も。

 ただ、筋トレやランニングを重点的に行なうことで、最近は怪我が収まったんですね。今は毎日充実してプレーができていますし、本当に楽しく卓球ができています。

 今の状態であれば、実は、もう何年かは卓球が続けられそうかなという感覚も一方では感じているんですよね」

――5月下旬のSNSでも「肉体改造するぞ」と前向きな発信をされていました。

「体重をどれだけ減らせるのか、増やせるのか、試合がなかったので自分の体がどうなるのかという興味本位で何かやりたいと考えたんです。

 当初は肉体改造で体重を減らす予定でしたが、週3で筋トレを行っている間に逆に2kg程度増えてしまって。それをきっかけに人生で一番重くする方向に切り替えました。これまでは体重が増えないようかなり様々な面で制限を行っていたのですが、もし、体重が増えても普通にプレーができるのであれば普段の生活で厳しい制限をしなくてもよくなります。そのあたりもチェックしたいと考えていて。

 ただ、体重が増えた分、代謝がよくなったのか発汗量がものすごいことになっています(笑)」

【次ページ】 「今はある種、“卓球バブル”」

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