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靭帯断裂から復帰目前ザニオーロは、
コロナ後のローマとイタリアの旗頭。 

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神尾光臣

神尾光臣Mitsuomi Kamio

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photograph byGetty Images

posted2020/05/25 18:00

靭帯断裂から復帰目前ザニオーロは、コロナ後のローマとイタリアの旗頭。<Number Web> photograph by Getty Images

颯爽としたプレーぶりのザニオーロ。かつてのトッティのようなエースとして君臨するか。

右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷。

 しかし、そんな流れのなかでアクシデントが起こった。

 36分、自陣から相手のプレスをかわすと一気にスピードを上げ、相手ゴール前までドリブルでボールを運ぶ。それを後ろから追う形になったラビオと、ゴール前で待ち構えていたマタイス・デリフトが、エリア手前で挟み込むようにして止めにかかる。

 ザニオーロは倒されてプレーが止まる。するとその次の瞬間、右膝に痛みを感じ、手を挙げて交代をアピールした。

 タンカで運ばれ、顔を覆って泣き崩れるザニオーロ。普通の怪我ではないということは誰の目にも明らかな状況だった。

 ローマ市内のヴィッラ・ストゥアルト私立診療所で行われた検査では重傷が発覚。右膝前十字靭帯断裂に加え半月板も損傷。翌13日に手術となった。

 スポーツ外傷の権威として知られる、ピエル・パオロ・マリアーニ医師の執刀のもと(かつて森本貴幸が靭帯断裂の怪我を負った際に執刀した医師でもある)、手術は無事に成功。断裂した前十字靭帯の再建と損傷した半月板の縫合が行われた。

 気になるのは復帰時期だ。

ローマのみならず代表にも痛手。

 マリアーニ医師は『ラ・レプッブリカ』紙に対し「我々の治療のガイドラインに沿えば3カ月で完治する」と語った。しかし、3カ月で実戦復帰できるという意味ではない。

 通常、再建した靭帯と骨が癒合するのに6~8週間、移植後に弱くなった靭帯周りの血管や組織が再生され機能が回復するまで3カ月ということだ。そこからリハビリを続け、プレーできる状態に回復するまで、さらに3~5カ月を要するとされている。

 つまり、今年1月の時点では、ザニオーロにとって事実上シーズン終了を意味する怪我となったわけだ。

 レギュラーシーズンでの復帰は絶望的。当初は6月12日に予定されていたEURO2020の開幕にも間に合わない。これはローマのみならず、代表にとっても痛手と考えられた。

 ここ2シーズンの彼のパフォーマンスを考えれば、23人のなかに入ることは間違いないと見られていたからだ。

【次ページ】 性格にやや難があるが万能型MF。

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