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靭帯断裂から復帰目前ザニオーロは、
コロナ後のローマとイタリアの旗頭。 

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神尾光臣

神尾光臣Mitsuomi Kamio

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photograph byGetty Images

posted2020/05/25 18:00

靭帯断裂から復帰目前ザニオーロは、コロナ後のローマとイタリアの旗頭。<Number Web> photograph by Getty Images

颯爽としたプレーぶりのザニオーロ。かつてのトッティのようなエースとして君臨するか。

性格にやや難があるが万能型MF。

 もともと年代別代表でパフォーマンスを高く評価されていた。2018年9月にはセリエA試合出場数ゼロという状態にもかかわらずフル代表へサプライズ招集されて、本人ですら驚きを隠さなかった。

 本来のポジションはインサイドMFながら、4-2-3-1のトップ下や3トップの右も可能。自分でボールを運び、ラストパスも正確、ミドルシュートでゴールを脅かすこともできる。

 反面、性格にはやや難があるとされ、昨年6月に行われたU-21欧州選手権では素行不良によって謹慎処分も受けている。しかし、その後はしっかり成長を果たし、気がつけば代表のキャップは5試合に伸びている。

 昨年11月のアルメニア戦では2得点を決めた。「様々なポジションがこなせ、パワーのあるザニオーロは他にないタイプの選手。EUROには間に合うと思っている」。ロベルト・マンチーニ代表監督は『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙のインタビューで語っていた。実際に復帰は難しくても、それだけ期待していたということは分かる。

 リハビリは順調に進んだ。

 術後1カ月で行われた検査の結果は良好。負荷を掛けたトレーニングの第2段階にもスムーズに移行できた。もっとも、本人にもローマにも回復を急ぐ意思はない。じっくりリハビリを積み、最良の状態で復帰することを確認しあっている。

今季中の戦線復帰もあり得る。

 ところが、イタリアで新型コロナウイルスの感染爆発が発生してしまった。

 当初は無観客で遂行することも検討されていたリーグ戦も中断。感染は全ヨーロッパに拡大し、UEFAは前述の通りEURO2020の1年延期を決断した。

 つまり、ザニオーロにとっては可能性が広がったのだ。さらに、セリエAのリーグ戦も6月中旬からの再開を目指す方向で検討が進められている。最新の案ではシーズンは8月20日まで続けられるということで、今シーズン中にローマで復帰できるかもしれない。

 イタリア全土にロックダウン(都市封鎖措置)が敷かれ、自宅でのトレーニングに限定される状況となったなか、ザニオーロは地道にトレーニングを続けた。

 フィジオセラピストからビデオ通話で指示を受け、復帰に向けて汗を流し続けた。最近の若者らしくSNSでの発信に積極的な彼は、その様子をビデオでも紹介していた。

【次ページ】 足の筋肉が1cmしか減少しなかった。

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