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2000年代プレミア回顧。ベンゲル、
モウにファギー、3名将の天下争い。

posted2020/05/20 11:30

 
2000年代プレミア回顧。ベンゲル、モウにファギー、3名将の天下争い。<Number Web> photograph by Getty Images

アーセナル、チェルシーともに当時最先端の戦術を用いた好チームだった。それでもマンチェスター・ユナイテッドは王者の風格を見せた。

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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 2000年代の初め、マンチェスター・ユナイテッドに食い下がってきたのはアーセナルだった。

 トニー・アダムズ、マーティン・キーオン、リー・ディクソンといった守備陣に衰えが目立った2000-01シーズンは、第28節のユナイテッド戦で1-6の大敗を喫し、さらに最終節を待たずに宿敵の優勝を許す屈辱まで味わった。

 だからこそアーセン・ベンゲル監督は翌シーズンにトッテナムからソル・キャンベルを補強。ローカルライバルの最強CBを、しかもフリートランスファーで獲得するリスクを冒したに違いない。

 ティエリ・アンリ、ロベール・ピレス、デニス・ベルカンプといった超強力な攻撃陣のポテンシャルを最大限に生かすには、最終ラインの安定を図ることが先決だ。

4バックの安定とベルカンプの爆発。

 そして2001-02シーズン、4バックではキャンベル、アシュリー・コール、ラウレン・エタメマイヤーなどの若手、中堅が定位置を確保して、スピード豊かな対戦相手とも互角以上に渡り合えるようになった。

 当然、中盤と前線も刺激を受け、第26節から最終節まで9試合のクリーンシートを含む13連勝。この間の総得点は「29」。ベルカンプに至っては3得点7アシスト。総得点の34%に関与する大活躍をみせ、4シーズンぶりの覇権奪還に貢献している。

 しかし続く2002-03シーズンは出足こそ快調だったがブラックバーンにダブルを食らったり、サウサンプトンに敗れたり、ボルトン・ワンダラーズと引き分けるなどチグハグな闘いに終始した。ユナイテッドが最終18試合で15勝3分という快進撃を見せたものの、一時は9ポイント差で首位を走っていたアーセナルは、意外なほどあっさりと逆転優勝を許している。

 ただ、戦力はユナイテッドと遜色なかった。

「ソル・キャンベルの相棒となる一線級のセンターバックを獲得できれば覇権奪還可能」と各方面から指摘され、2003-04シーズンを迎えた。しかし……。

【次ページ】 トゥーレ獲得から伝説の無敗優勝。

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