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男子バレー、16年ぶりの五輪切符。
北京へつながった大歓声と歓喜の輪。 

text by

市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byToshiya Kondo

posted2020/05/03 19:00

男子バレー、16年ぶりの五輪切符。北京へつながった大歓声と歓喜の輪。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

北京五輪出場を決めたバレー男子日本代表。16年ぶりの快挙に東京体育館は歓喜に包まれた。

バレー界に貢献する北京メンバー。

 結果、日本は16年ぶりにオリンピックに出場したのだが、五輪本選の結果は惨敗だった。0勝5敗の予選敗退で4大会ぶりの大舞台はあっけなく終わった。

 しかし、男子バレーが再びオリンピックの舞台に返り咲いたことは日本のバレー界にとって大きかったと思う。

 荻野は2009年に現役を引退した後、海外指導者研修を経てサントリー・サンバーズの監督に就任した。山村宏太はサントリーのコーチとして、津曲勝利は全日本男子のコーチとして後進の指導に力を注いでいる。セッターの宇佐美と朝長はともに母校の監督となり、若年層の育成に尽力中だ。

 山本は引退後、近代バレーに最も精通し、世界標準の戦略をわかりやすく伝えることができる解説者としてコアなバレーボールファンから信頼を寄せられている。越川と石島はビーチバレーボールに転向し、再び世界の舞台で闘う道を選んだ。北京五輪をともに戦ったメンバーは各々の立場でバレーボールと向き合い、日本の男子バレーに希望の光をともし続けている。

 現在、新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界は混とんとしている。スポーツを楽しむ心の余裕が持てるのは、まだまだ先になるかもしれない。しかしアスリートは、腹の底から力が湧いてくるような勇姿を、これからもわたしたちに見せてくれると思う。一日も早くその日が訪れるように、わたしたちも耐えて、あきらめずに願うしかない。

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