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イブラはスウェーデンで本格トレ中。
ミランから母国への電撃復帰も?
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph byGetty Images
posted2020/05/04 20:00
ミランの救世主となるはずだったイブラヒモビッチ。セリエA中断でまさかの電撃移籍再び、となるのか。
ロックダウンのないスウェーデン。
ほとんどの選手は、練習再開の見通しすらままならない状況。そのなかにあってボールを蹴ってコンディションアップを図っている選手がいる。
1月にミランに移籍したズラタン・イブラヒモビッチだ。
現在、彼はイタリアにいない。母国スウェーデンに戻り、ストックホルムに本拠を置くクラブのハンマルビーIFでトレーニングを積んでいる。
スウェーデンでは、他のヨーロッパ諸国と違ってロックダウンの措置が取られていない。COVID-19感染者のみ隔離措置が取られているが、基本的に人の行き来は自由。大学、高校以外の学校は閉鎖されておらず、レストランやバーも営業している(イタリアは5月4日からようやくテイクアウトが認められる程度)。運動はもちろん認められており、イタリアで閉鎖となっているジムだって利用可能だ。
当然、サッカークラブは活動自粛を求められていない。普通にボールを蹴ることができ、味方とパスすることも、相手と競り合うこともできる。
「イタリアに比べれば、スウェーデンでは幾分普通の生活が送れる。あそこでなら個人練習もグループ練習も可能なので、イブラヒモビッチは母国に帰る決断をした」
ミラノに在住するスウェーデンの日刊紙『エクスプレッセン』のニコル・アミリ記者は、そう語った。
母国調整を歓迎したハンマルビー。
イブラヒモビッチが自国で調整をすると決断したとき、歓迎したのがハンマルビーだ。実はイブラヒモビッチ、昨年11月に株式の25%を取得して共同オーナーとなっている。
出自であるマルメではなく、ストックホルムのクラブに投資したことで批判されたともいうが、ハンマルビーにとっては大きく知名度を上げる出会いだ。
地元紙の報道では収入も一気に伸びたとあって、共同オーナーのリクエストのひとつに耳を貸さないわけにはいかない。「イブラヒモビッチとの会談はもともと予定されていたものだが、そこから『コンディションを保つために一緒に練習させてくれないだろうか』というリクエストがあった。とても愉快だと思った」