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イブラはスウェーデンで本格トレ中。
ミランから母国への電撃復帰も?
posted2020/05/04 20:00
text by
神尾光臣Mitsuomi Kamio
photograph by
Getty Images
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、セリエAが中断されてから2カ月になる。その間、各クラブの選手たちは、当然自宅にいなければならなかった。
外出制限や社会活動の制限を設けた首相令のなかでは、リーグ戦をはじめとした試合の開催はおろか、練習すらできなかった。
感染者が出たクラブの選手たちは、直ちに14日間の自宅隔離に従わなくてはならない。また、そうでない選手も、全国民同様に野外での活動は禁じられていた。トレーニングはもっぱら室内に限られ、各チームともにコーチングスタッフの指南を受けながら、自宅でコンディションのキープを図っていた。
一時期は全世界で最多の死者数を出していたイタリアの感染ペースが収束の傾向を見せ、イタリア政府は5月4日から段階的に社会・経済活動を認めようと動き始めている。
練習したければ“外でやれ”。
これまで閉鎖されていた公園が開放され、禁止されていたジョギングや個人競技の練習にもゴーサインが出たのだが、サッカー選手は引き続きお預けを喰らったままだ。チームとしても全体練習は当面禁止、個人トレーニングをするにしても、練習場やジムは引き続き閉鎖するという状態だ。
つまり、トレーニングを開始したければ市民ランナー同様に外でやれという話になる。そうなればギャラリーができてソーシャルディスタンスも何もあったものではない。感染被害の酷かった地方自治体は「公園を開放するなんてとんでもない」と独自に制限措置を実行するところもある。
「無茶苦茶だ。フォルメッロの練習場は入り口が3つか4つに分かれていて、誰にも会うことなく個人練習ができるというのに。差別じゃないのかな」
ラツィオFWチーロ・インモービレは地元メディアにこぼしている。
一方、東京五輪を睨む個人競技の選手たちは施設を借り切り、非公開で練習することができる。だが、それに対しても「彼らのためだけにジムやプールを開けるなんて無理。客を入れないと運営ができない」と現場は不平を漏らしているという。