川崎は“大化け”にも期待。

＜川崎フロンターレ＞
DF神谷凱士（東海学園大）→－
MF三笘薫（筑波大）→○
MFイサカ・ゼイン（桐蔭横浜大）→－
FW旗手怜央（順天堂大）→○

　大卒選手の獲得に力を入れたのは王者奪還を期す川崎だ。獲得した4人の内訳をみると、“目玉”と“大化け”という、将来が楽しみな補強となった。

　三笘と旗手は、この世代ではもはや説明不要のレベルだろう。

ADVERTISEMENT

　特に三笘は、昨季のインカレ優勝の明治大が「三笘シフト」を敷いたように、抜きん出たタレントだった。どんなピッチコンディションでも変わらない重心移動とボールタッチのセンスで、簡単に複数人のDFを打ち破り、シュートとパスの引き出しの多彩さも兼ね備えている。開幕戦では早速左サイドを何度もドリブルで切り裂き、スタンドを沸かせてみせた。下部組織出身選手としても大きな期待を背負うだろう。

　旗手もまたドリブルが得意な選手だ。三笘とは異なりパワフルかつ緩急を加えて相手守備陣をこじ開けていく。強烈なミドルシュートも魅力で、ゴールハンターとしてのクオリティーも高い。開幕戦では三笘と同時投入され、斜めの動きやタメを作るプレーを組み入れながら、攻撃にアクセントを加えていた。わずか25分ほどのプレー時間だったが、この2人のプレーに大きな期待を抱いたサポーターも多いはずだ。

　イサカ・ゼインは右サイドのスペシャリストタイプ。学生時代はサイドハーフ、ウィングの位置から抜群の身体能力を駆使して、潜り込むようなドリブルで切り裂くプレーが特徴だった。

　DF神谷凱士（東海学園大）は183cmの高さとフィジカルの強さもさることながら、抜群の精度を誇る左足を持ち、サイドバック、CB、ボランチと守備的なポジションならどこでもこなせるのが強み。2人とも時間は少しかかるかもしれないが、十分にレギュラー争いに食い込める力を持っている。三笘と旗手の活躍を刺激に、大化けに期待したい。

来季の内定に注目したいセレッソ。

＜セレッソ大阪＞
なし

　今季のC大阪は大卒選手の獲得はなく、高卒ルーキーの獲得に力を入れた。U-18から藤尾翔太、松本凪生、吉馴空矢、西尾隆矢の4人を昇格させ、高校ナンバーワンのMF西川潤（桐光学園）を獲得。そして188cmの長身CB田平起也（神戸弘陵）も補強し、FW1人、MF3人、DF2人とバランスが取れた内訳となった。

　それゆえに注目されるのが、2021年シーズンに向けた補強だろう。おそらくここで大卒選手の獲得に力を入れるはずだ。CBは年齢のバランスが取れているだけに、欲しいポジションとしては右サイドバック、ボランチあたりか。まだ2021年以降の内定発表選手がいないだけに、これからに注目したい。

【次ページ】　大卒ゼロも、柏の後継者探しは完了。