オリックスは打線の主軸が欲しい。

〔オリックス 2020年ひとりドラフト指名選手〕
外れ　内野手　佐藤輝明（近畿大）　186cm92kg　右投左打
外れ　投手　栗林良吏（トヨタ自動車）　177cm80kg　右投右打　24歳
1位　投手　今西拓弥（早稲田大）　200cm90kg　左投左打
2位　投手　大道温貴（八戸学院大）　178cm78kg　右投右打
3位　外野手　今川優馬（JFE東日本）　176cm84kg　右投右打　23歳

〔総評〕
　2019年のチーム成績で、打率.242がパ・リーグ最下位、102本塁打が同5位。

　一方の投手陣には、「最後の殻」をなかなか破れないでいるものの、あとひと息で「一軍」に手のかかりそうな若手投手が何人もいる。田嶋大樹、荒西祐大、K-鈴木、榊原翼、張奕、本田仁海、漆原大晟……。

　しかし近い将来、打線の主軸に台頭しそうな長距離砲が心もとない。

　相手の投手がビビるような打線に！

　そんな思いで、2020ドラフトでNo.１の大砲と評されている佐藤輝明を指名したが叶わず、強靭なハートが山本由伸タイプの栗林良吏も逃して、早稲田大の超長身左腕・今西拓弥に落ち着いた。

　広島のK・ジョンソンをさらにひと回り大きくしたようなサウスポー。これだけ手足が長いのに、ピッチングが暴れないのが「才能」だ。140キロ前半でも、3ｍほどの高さから投げ下ろす球筋にはなかなかついていけないだろうし、低目に集められる制球力も驚きだ。

　先発して5、6イニング、この相手ならこの程度には抑えてくれるだろう……そんな計算の立つ超ビッグなサウスポーだ。

山岡泰輔、山本由伸の系譜を次ぐ大道。

　オリックス投手陣の2本柱、山岡泰輔と山本由伸はスピードもさることながら、スピン抜群の生命力でスイングをはね返す球質のすばらしさが特徴である。

　その線で探し出したのが、2位・大道温貴。

　アベレージは145キロ前後出る。それ以上に、オーバーハンドから投げ下ろしているのに、ネット裏の低い位置から見ると下からホップするように見える球質。ここが買いだ。

　で、やっぱり「打てるヤツ」も、いなくならないうちに、絶対1枚欲しい。

　下から上に向かってえぐり上げるようなホームランしか狙っていないようなスイングで、実際にここ一番の土壇場で試合を決定付ける一弾を放り込むのが3位・今川優馬だ。

　昨夏の都市対抗、ルーキーなのに全くもの怖じすることなく、平然と実力を発揮して長打を打ちまくった勝負根性もプロ向き、オリックス向きだ。

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