地元に狙いを定めた中日は隠し玉も？

〔中日ドラゴンズ 2020年ひとりドラフト指名選手〕
1位　投手　高橋宏斗（中京大中京高）　184cm80kg　右投右打
2位　投手　松本竜也（ホンダ鈴鹿）　178cm86kg　右投右打　21歳
3位　投手　伊東邑航（いなべ総合高）　183cm86kg　右投左打

〔総評〕
「2019ドラフト」では、東邦高の長距離ヒッター・石川昂弥を見事一本釣りした中日。

　今季の補強テーマを、早くも「能力の高い地元選手」に絞ってみると、地元・東海地区えり抜きの逸材が並んだ。

　今年の高校野球を代表する本格派の1人である高橋宏斗。

　高校生だから2～3年はファーム……そんな“方程式”は当てはまらない、完成度の高い右腕だ。

　速球が150キロに及ぶエンジンの大きさもさることながら、ツーシーム、スプリットも140キロ近い「高速」で動かせて、低目に制御できる技術を兼備。春の頭からというわけにはいかなくても、夏の終わりあたりから一軍の戦力に加入してきても、ぜんぜんおかしくない。

複数人で何度も見にいく隠し玉。

　2位・松本竜也は、都市対抗の常連チームの投手だが、多くのファンにとっては「隠し玉」に近い存在だろう。

　奈良・智弁学園高から入社して3年目。本格的な実戦登板は昨年2年目の秋からだから、ほぼ正体不明。年は若いが、試合を作れる投手。145キロ前後の速球にスライダー、フォークをストライクゾーンからボールゾーンに出し入れできて、3球で打者を追い込める。打者に向かっていく勝負根性も頼もしい。

　3位・伊東邑航、さらに隠し玉である。

　それでも、中日スカウト陣がすでに3人、4人で複数回グラウンドに足を運んでいると聞く。「将来はエースになれる素材」という話もあり、すでに150キロをマークして、あとは大舞台での実力証明を残すだけだ。

　柳裕也が昨シーズン二けた勝ち星(11勝)に乗せて、ルーキー岡野祐一郎、2年目梅津晃大、そのあとをドラ1、ドラ2の地元の快腕が追う。

　なにやら久々に、ドラゴンズ投手王国の兆し……は、ちょっと気が早すぎるか。

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