位置だけでなくチームメイトとの連携も柔軟に。

　遠藤は、不慣れなポジションで試行錯誤を続けながら、試合に出ることによってアンカーとしての感覚を磨いているようだった。

「自分が剥がされれば一気にピンチになる。それぐらいの覚悟、責任を持ってプレーできていることは悪くないと思います。そこが一番面白いところでもあるし、キツイところでもありますけど、やっぱりタフにはなると思う。ワンボランチで、そこで自分が潰して、前に人数をもっと掛けることができれば点に繋がりやすいと思います。基本的にシュツットガルトは攻撃的なサッカーを目指している分、ワンボランチの自分がしっかり潰すところは監督にも求められているし、僕もそこは追求してやっていきたいと思います」

　そして指揮官がマタラッツォ監督に代わって、2ボランチの一角を任されるようになっても、柔軟に対応。“相棒”のマンガラと息の合ったプレーを見せている。後半戦に入って１カ月が経った頃、2月17日に行われたボーフム戦では、U-21ベルギー代表MFとのコンビについて、次のように語った。

「今日は2ボランチを僕と、オレル（・マンガラ）がしっかりやっていましたけど、やっぱり自分たちのところでしっかりボールを受けて、ターンして前に付けることができれば、あれだけチャンスを作れるっていうところを示すことができた。後は自分たちが狙いとしているところを今日はシンプルに出せていたと思うので、それが良かったかなと思います」

高い戦術理解力が思考の柔軟性を生む。

　アンカーで出場する時との違いも、遠藤の頭の中では整理されており、その思考に淀みはない。

「アンカーにするか2ボランチにするかによって守備の負担は変わりますけど、ボランチ2枚にする分、より僕も攻撃にも出ていかないといけない。その縦の運動量はアンカーより多いと思います。まあ、僕としてはやっぱり、日本代表でも2ボランチをやっているし、2ボランチの方がやりやすさは感じながら、オレルといい関係性は築けていると思いますね。

　中盤でのデュエルが肝だと思っているので、僕だけじゃなく、今日はみんな意識して上手くボールを奪えていたと思うし、そこは続けていけば良いと思います」

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