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香川真司がレアルと戦った日。
2部にいても、頂点への志は折れず。

posted2020/03/29 11:50

 
香川真司がレアルと戦った日。2部にいても、頂点への志は折れず。<Number Web> photograph by AFLO

香川真司とサラゴサは、マドリーに完膚なきまでに敗れた。しかし、トップオブトップとの戦いに胸は躍っていた。

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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 新型コロナウイルスが最初にスペインリーグに影響を与えたのは、3月13日からの第28節とその翌週の第29節だった。

 直前の火曜日10日と水曜日11日に行われたチャンピオンズリーグ4試合のうち、バレンシア対アタランタとPSG対ドルトムントの2試合が無観客で行われていた。すでに、サッカー界に影響は出始めていたわけだ。

 CLを終えた12日木曜日、レアル・マドリーのバスケットボール部門で感染者が発覚し、サッカー部門も検査を受けることと練習場の閉鎖をクラブが発表。これを受けてリーガは2節の延期を発表し、 “新型コロナウイルスに対抗する行動プロトコルの次の行動”に移る時期だと説明したが、21日にはレアル・マドリーの元会長のロレンソ・サンスが新型コロナの影響で亡くなるなど厳しい状況は続いている。

 現在では無期限延期となったスペインリーグだが、選手に感染者が出たこともあり、どのクラブでも選手たちは自宅待機を余儀なくされている。日本人選手もしかりで、代わりにSNSを通して家でできるトレーニングを伝授したり、ファンサービスを行うなどしている。プレー以外の姿を見られて新鮮な反面、やはり選手は試合で見たいものだと思ってしまう。

香川真司がレアルと戦った日。

 少し遡るのだが、1月29日のこと。

 スペイン国王杯、2部のレアル・サラゴサは5回戦でレアル・マドリーをホームに迎えていた。チケットは瞬く間に売り切れ、街はお祭り騒ぎに。試合は0-4で、サラゴサは完敗した。この試合でフル出場した香川真司は、久々に輝きを見せていた。

 レアルを相手に腰の引けた味方選手もいる中で、この日に限っては香川にしっかりとボールが集まっており、チームは香川を見て動いた。

 この日に限ってというのは、今季の香川はなかなか難しいシーズンを送っていたからだ。2022年カタールW杯を目指して、夢のスペインでプレーするために2部に甘んじることを受け入れた。だが、それでも結果が出せていない。3月8日第31節までの時点で、先発18試合、途中出場5試合、2得点1アシスト。

 サラゴサから80キロほどしか離れていない同じ2部のウエスカでプレーする岡崎慎司は、試合から離れる期間を挟みながらもすでに8得点している。2人はタイプも何もかも違うが、それでも香川にももう少し結果が出せるのではないかと思ってしまうのだ。

【次ページ】 ミックスに現れなかったので、翌日に……。

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