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巨人・原辰徳監督、一時解散の理由。
メジャー流運営で“やりすぎない”。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2020/03/27 20:00

巨人・原辰徳監督、一時解散の理由。メジャー流運営で“やりすぎない”。<Number Web> photograph by KYODO

無観客開催でのオープン戦後、報道陣の質問に答える巨人・原監督。開幕までの調整期間に一軍の“一時解散”を決めた。

原監督が語る巨人“一時解散”の理由。

 この中で目を引くのは4月4日まで10日間を個人練習期間としてチーム全体の動きを一時的に止めて自主練習期間とした巨人の決定だった。

「メンタルの問題なんだよね」

 原監督からこの案を聞いたのは、3月22日のDeNAとの練習試合のときだった。

 この時点ではまだ開幕の細かなスケジュールは出ていない状況だった。しかし原監督は早々に「4月10日の開幕はまずムリ。早くても4月24日だろうから、そこまでどうやってチームをリセットしていくかが最大のテーマになる」と“一時解散”の理由をこう語っている。

「こういう変則的な事態になって、我々が一番に考えなくちゃいけないのは、選手のメンタルを含めたコンディショニングなんです」

半ば強制的にチームから離れさせる。

 指揮官は続けた。

「選手は2月のキャンプインからずっと張り詰めて突っ走ってきている。肉体的にもそうだけど、もっと大きな負担になっているのは精神的な部分。だからそれを1回リセットしてやらないと。

 そうでないとペナントレースが始まって143試合を戦ってCS(クライマックスシリーズ)、日本シリーズという目標に向かって心が持たないよ」

 もちろんこの期間にジャイアンツ球場の練習施設は開けている。また若手選手は二、三軍の練習試合に出場してアピールの場を設けてもいる。

 原監督が気を配るのは菅野智之投手や坂本勇人内野手、丸佳浩外野手や岡本和真内野手、吉川尚輝内野手、ベテランの亀井善行外野手らシーズンを通じてチームを支えてもらわなければならない主力選手たちの肉体とメンタルだった。

 こうした選手たちには半ば強制的にチームから離れさせるために、自主練習でもユニフォームを着ることも禁じてトレーニングウエアで行わせる徹底ぶりだ。

【次ページ】 巨人のチーム運営のメジャー化。

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