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巨人・原辰徳監督、一時解散の理由。
メジャー流運営で“やりすぎない”。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/03/27 20:00
無観客開催でのオープン戦後、報道陣の質問に答える巨人・原監督。開幕までの調整期間に一軍の“一時解散”を決めた。
巨人のチーム運営のメジャー化。
オンとオフをしっかり切り替える。そこからリスタートを切るための環境は整備されるという考えなのである。
巨人ほどの長期ではないが、同じようにまず選手のリフレッシュを優先したのはDeNAと日本ハムの2球団だった。
この両球団は兼ねてからメジャー的なチームマネジメントを特長にしてきているが、そこに巨人が加わり、今回の“一時解散”のようにより深化した形で実践している部分も出てきている。
巨人のチーム運営のメジャー化が急激に進んでいるということなのである。
「やり過ぎない」ことへのマネジメントを徹底。
実はこれは昨年、原監督が復帰してからの変革の1つだった。
「いくら選手に力があってもコンディションが整っていなければ、力を発揮できない。最低でも7割、8割の状態で試合に臨めるようにするのはプロとしての義務だけど、それをどうサポートしていくか。そこがチームの役割だと思いますね」(原監督)
メジャーでは連戦、連戦のなかで162試合の長丁場を戦う。そのためにコンディショニングを最優先して、練習メニューも配慮されてくる。
巨人でも昨年からナイターの翌日のデーゲームや遠征から戻った移動ゲームでは全体練習は行わずに、リフレッシュを優先するようになった。絶えず「やり過ぎない」ことへのマネジメントを徹底しているのだ。
このメジャー流は戦術的にも積極的に取り入れられて、昨年は攻撃型2番打者としての坂本勇人内野手の抜擢。それが5年ぶりのリーグ優勝への大きな原動力となったのは端的な例だった。
そして今年のオープン戦では阪神のジャスティン・ボーア内野手に対して、大胆な守備シフトなども行ってきている。
またキャンプでのインタビューでも「今年は投手でいままでの日本の野球にないものをやりたい」とメジャー的発想での投手陣の運用も宣言していた。