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ブラジル悪童フットボーラー更生記。
ロマーリオ議員、名解説エジムンド。 

text by

沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byGetty Images

posted2020/03/23 20:00

ブラジル悪童フットボーラー更生記。ロマーリオ議員、名解説エジムンド。<Number Web> photograph by Getty Images

セレソン、バルサなどで類稀な決定力を見せたロマーリオ。悪童ながらセカンドキャリアはしっかりとしている。

無茶苦茶な言動の野獣エジムンド。

 ロマーリオと同タイプの悪童だが、交通事故で3人死なせて「人殺し」と呼ばれた男がいる。

 パルメイラス、フィオレンティーナなどで活躍。2001年から'02年にかけて東京ヴェルディでもゴールを量産し、2003年に浦和レッズに入団したがハンス・オフト監督と対立して退団したエジムンドである。野性味あふれるプレーと常軌を逸した言動から「野獣」と呼ばれた。

 夜遊びが大好きで、言動は無茶苦茶。相手チームの選手やカメラマンを殴ったり、息子の誕生パーティに呼んだサーカスの猿にビールを飲ませて泥酔させてブラジル環境庁から事情聴取を受けたり……。

 フラメンゴ在籍中の1995年、未明にナイトクラブから帰る途中で対向車と衝突し、対向車の2人と同乗の女性1人を死なせた。

 4年半の実刑判決を受けたが、腕利きの弁護士を雇って最高裁まで戦った。刑務所には入らず、仕事をしながらそれ以外の時間は自宅で謹慎する処分に減刑させた。以後、ピッチに立つ度に対戦相手のサポーターから「人殺し」コールが起きたが、平然とプレーしてゴールを決め続けた。

 このメンタルの強さ、尋常ではない。

引退後は頭の回転が速い解説者。

 フィオレンティーナ在籍中の1999年、チームは優勝争いの真っ只中だった。しかも同僚のアルゼンチン代表FWガブリエル・バティストゥータが故障で離脱したにもかかわらず、カーニバルを楽しむため母国へ一時帰国した。

 地元メディアとファンから激しく非難されたが、本人は全く意に介さなかった。

 なお2008年に引退し、以後はテレビの解説者。頭の回転が速く、コメントも的確で、視聴者からの反応は上々だ。

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