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コロナ禍でもエディー劇場は健在。
イングランドの進化と契約延長の是非。 

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竹鼻智

竹鼻智Satoshi Takehana

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posted2020/03/19 11:50

コロナ禍でもエディー劇場は健在。イングランドの進化と契約延長の是非。<Number Web> photograph by Getty Images

新型コロナウイルスの影響で大会が中断されたシックスネーションズ。エディー・ジョーンズ率いるイングランドは3勝1敗と、優勝の可能性を残している。

急がない世代交代、新布陣も機能。

 そんな話題をさらったイングランドだが、昨年のW杯で準優勝したメンバーはまだまだ健在だ。

 延期となったイタリア戦以外の4試合で、途中出場も含めて今大会いずれかの試合に出場した選手は、合計30人。そのうちの24人が、昨年のW杯に出場している。第3節のアイルランド戦、第4節のウェールズ戦においては、スタメン全員がW杯組というメンツで挑んだ。平均年齢約27歳と、比較的多くの選手が2023年までピークを保てるチームにとって、世代交代は急務ではない。

 オーウェン・ファレル主将をはじめ、マロ・イトジェ、ジョージ・フォードなどの主力は健在。負傷中のビリー・ブニポラに代わり、これまでFLで起用されていたトム・カリーが、No.8で全4試合に出場するなど、新しい布陣も機能している。

期待が寄せられるFB専門のファーバンク。

 数少ない初招集組のなか、FBとして2試合にスタメン出場を果たしたのは、ジョージ・ファーバンク。今季のプレミアシップでの活躍がジョーンズ監督の目にとまり、代表入りを果たした。

 初戦のフランス戦では明らかに精細を欠いたが、キック合戦となった次節のスコットランド戦では、厳しいコンディションのなか安定したプレーを見せている。

 器用なタイプの選手を複数のポジションで使うことの有効性を公言するジョーンズ監督だが、同時に「スペシャリストタイプの選手」にも独自の武器があると過去に話していたことがある。実際に、代表監督就任最初の約2年は、FBが専門職のマイク・ブラウンを固定で起用しており、そのプレーを高く評価していた。チームの最後の砦を専門とする23歳のファーバンクの安定感には、同監督が大きな期待を寄せているかもしれない。 

 代表には、WTBとの掛け持ちでFBもこなす、エリオット・デイリー、アントニー・ワトソンというW杯組がライバルとして待ち受け、本来はCTBであるヘンリー・スレイドも、ウェールズ戦では途中出場でFBに入り、素晴らしいプレーを見せた。厳しい競争の中で、ファーバンクが今後どのような活躍を見せるか、注目が集まる。

【次ページ】 大会は中断、W杯抽選にも影響?

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