熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
本田圭佑ブラジル初戦を現地取材。
メッシ的な自在さ、健在の勝負強さ。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byZUMA Press/AFLO
posted2020/03/18 12:00
自らが名乗り出たPKでキッカーを務め、見事に初ゴール。無観客試合でも本田圭佑らしさは全開だった。
無観客でも結果を残せる勝負強さ。
無観客試合を取材したのはこれが初めてだったが、まるでクラブの練習場で外部非公開の紅白戦を見ているような気分だった。
フットボールにつきものの興奮がなく、試合には観客が不可欠であることを痛感した。
それと同時に、このような困難で状況でデビュー戦を迎えながら目に見える結果を出した本田圭佑の勝負強さが、なおのこと印象に残った。
地元メディアの評価はチーム最高点。
試合後の監督、選手へのインタビューは行なわれなかった。
本田のプレー内容について、地元メディアは「的確なパスを繰り出して攻撃の中心となり、落ち着いてPKも決めた」などと高く評価し、例外なくチーム最高点を与えていた。
試合勘とスタミナ不足も感じられたが、昨年12月以来、約3カ月ぶりの公式戦出場だったことを考えると、それは無理もなかった。
ボタフォゴにとっても本田自身にとっても、極めて有意義なデビュー戦だった。
ただし後半途中で交代させられたことについて、自身のメールマガジンにて言及する必要はなかったのではとも感じる。
本人が「もっとプレーしたかった」と考えるのは当然だし、結果的にアウトゥオリ監督の交代策は効果がなかった。
とはいえ「90分試合に出たい」のは本田だけではなく、プロ選手の誰もがそう思っている。後で監督と話し合うのはいいが、それも含めてチーム内で処理すべき問題だろう。