フランス・フットボール通信BACK NUMBER
差別と戦ったミーガン・ラピノー。
女子バロンドールの闘士の素顔とは?
text by
クリストフ・ラルシェChristophe Larcher
photograph byBenjamin Schmuck/L'Equipe
posted2020/03/22 11:50
アメリカ・シアトルの街での取材。トロフィーと共にインタビューに応じてくれたミーガン・ラピノー。
彼女の勝利は「愛国心の枠」を越えていた。
――あなたに近づいてくる人々……そういった人たちはいったい何を語りかけているのでしょうか?
「2015年のワールドカップ優勝のときは、『ブラボー! あなた方は最高だ。素晴らしかった』と人々は祝ってくれた。つまり外側からの祝福だった。
でも今年は、まるで誰もがチームの一員であるかのように喜んでいた。
私たちの勝利は彼らの勝利でもありアメリカの勝利でもあり……すべての人々の勝利であるといえた。しかもサッカーだけに留まらないし“愛国心の枠”も超えていた。チームはあらゆる平等のために戦っていたのだから。
私が感謝されるのは、人々を覚醒させたからで、私たちがピッチの上で成し遂げたことを彼らの人生においてもなしうると力づけたからだった。感謝の言葉をかけられるたびに、心が震えるのを感じる」