Jをめぐる冒険BACK NUMBER
鈴木優磨、ベルギーで7得点と今後。
「そこはもう、死ぬほど集中して」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2020/03/16 11:40
鈴木優磨と言えばここ一番で結果を残せるタイプだ。それはゴールという明確な数字を問われる欧州向きと言える。
大地の成功例は異例だと思っていて。
――シント・トロイデンでは昨季、鎌田大地選手がゴールを量産してフランクフルトへ復帰しました。同じ年で、交流もある鎌田選手の活躍は成功例として参考になるのでは?
「大地は去年、なんゴールでしたっけ?」
――リーグ戦24試合に出て12ゴール。プレーオフも入れると15ゴールですね。
ADVERTISEMENT
「改めて凄いと思いますね。ただ、言い訳になりますけど、去年と選手層やチームの置かれている状況が違うんで。あと、俺の場合、大地みたいにゲームメイクしながら点を取るタイプじゃない。どうしてもチャンスを待たないといけない。それこそ、今のチームに大地がいてくれたら(苦笑)。
ただ、大地の成功例は、異例だと思っていて。これまでヨーロッパのひとつ目のチームでダメなら、日本に帰るしかなかった。レンタルで別のチームに行って結果を出して戻れたのは、初じゃないですか。だから、俺にとって参考になるのは、(遠藤)航くんや冨安(健洋)のほう。彼らの活躍を見ていると、やっぱりここに来ることに意味があるなと感じますね」
植田との勝負は楽しかった。
――シント・トロイデンにはシュミット・ダニエル選手、松原后選手、伊藤達哉選手と、3人の日本人選手がいます。彼らは同志? ライバル?
「なんだろう、いい意味で助け合っています。本当の仲間という感じがしていますね。困ったときには『こうしたほうがいいよ』とか声を掛け合うし。サッカーの話ばかりですけどね。でも、彼らがどう思っているのか知れるのは楽しいです。日本語で密なコミュニケーションが取れるのもいいですね」
――2月15日のセルクル・ブルージュ戦では、鹿島時代の先輩である植田直通選手とバチバチやり合っていましたね。
「楽しかったですね。やり合いながら、チームメイトからかなり信頼されているんだなとか、チーム内でここまでの地位を築いているんだなとか、そういうのを感じられるのも楽しい。そういう意味で、凄いと感じたのが森岡(亮太/シャルルロワ)さん。チームメイトからの信頼度も高いし、日本代表に選ばれないのが不思議なくらい圧巻のパフォーマンスを見せていますからね」