Jをめぐる冒険BACK NUMBER
鈴木優磨、ベルギーで7得点と今後。
「そこはもう、死ぬほど集中して」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2020/03/16 11:40
鈴木優磨と言えばここ一番で結果を残せるタイプだ。それはゴールという明確な数字を問われる欧州向きと言える。
堂安選手も言ってたんですよ。
――鈴木選手も今はチームメイトから信頼され、エースとして毎試合出場していますが、移籍当初は、ケガのため鹿島で半年間まったく試合に出ていない状態でベルギーにやって来て、慣れるのに苦労したと思います。
「本当に大変でしたね。レベルも思っていた以上に高かったし、苦労しましたね」
――その困難をどう乗り越えたんですか?
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「いろいろ考えたんですけど、最終的には自分が結果を残すことでしか乗り越えられないというか。この前、堂安(律)選手も言っていたんですよ、サッカーでのストレスは、サッカーでしか返せない、みたいなことを。俺も同じことを思っていて」
――たしかに、日本では娯楽を含め、ストレス解消の方法は、いろいろあるけれど。
「友だちに会ったり、どこかに出かけたり、いろいろありますよね」
――でも、異国にいると、サッカーと向き合い、自分で道を切り開くしかない。
「そうなんですよ。だから、こっちに来て、サッカーとより向き合えるようになったかもしれないです。点が取れなかったときは、俺、何してるんだってなるし、点が取れたときは、喜びが何倍にもなって返ってくる。俺はこれを望んで、ここに来たんだって実感できる。それが原動力になっています。だから今は、ここに来て本当に良かったなって感じていますね」
鹿島、めちゃくちゃ気にしてます。
――ところで、古巣の鹿島のことは、気になりますか?
「もちろん。めちゃめちゃ気にしてますよ。移籍してからも結果は常に気にしているし、鹿島が負けたら、俺も単純に悔しい。鹿島は今、変革期を迎えていますよね。俺が言うのもあれですけど、海外に行く選手が増えたし、新しい監督を迎えて、自分たちのサッカーをやろう、ボールを握ろう、というふうに方針を変えた。どうなっていくのか楽しみであると同時に、不安もあるというか。本当にうまくいってほしい。
今の自分は鹿島が作ってくれたし、今、ここでやれているのも鹿島のおかげ。ここで点を取ってステップアップすることが鹿島への恩返しになると思うし、シント・トロイデンへの恩返しにもなる。そのためにはゴールを取り続けるしかないと思っています」
――ステップアップとして睨んでいるのは、どのリーグですか?
「最終的にはプレミアに行きたいですけど、ベルギーリーグの上位3~5チームにいないと、一発でプレミアに行くのは難しいなと感じていて。俺、順序を踏みたい性格なんですよ。試合にしっかり出て順序を踏むという意味では、次に目指すのはドイツかなと思っています。もちろん、そんなに甘い世界でないのも分かっていますけど」
――それには、プレーオフ2で大暴れしないといけない。
「それが今のモチベーションですね。プレーオフ2もリーグ戦のゴールに加算されるんで、貪欲にゴールを狙っていきたいと思っています」