Jをめぐる冒険BACK NUMBER
鈴木優磨、ベルギーで7得点と今後。
「そこはもう、死ぬほど集中して」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2020/03/16 11:40
鈴木優磨と言えばここ一番で結果を残せるタイプだ。それはゴールという明確な数字を問われる欧州向きと言える。
個の能力はベルギーの方が……。
――オランダよりも?
「オランダは外国人枠があるから、オランダ人が多いんですけど、ベルギーは実質的にないから、いろんな人種がいるし、アフリカ系のデカい選手がゴロゴロいる。オランダのほうが組織はオーガナイズされているかもしれないですけど、個の能力はベルギーのほうが比にならないくらい上なんじゃないかなって。僕も毎試合、自分より10cmもデカいDFとやりあっていますからね」
――見ていて感じるのは、かなりスピーディで激しいということ。
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「(今冬に加入した松原)后も言ってましたね。初めて試合に出たあと(2月28日のメヘレン戦)、『インテンシティが日本とはまったく違う』って。ただ、単純な強さはあるけれど、こぼれ球に対して付いて来なかったり、クロスに対して一瞬目を離したり、ルーズさもあるんです。だから、今はその一瞬を逃さないようにして勝負しています。それに、キープするとき100%の力を注がないと潰されちゃう。だから毎試合、いい刺激になってます」
――ベルギーリーグに慣れるために、自身のプレースタイルを意識的に変えた部分はありますか?
「変えたというより、こっちに来てから、ゴールを取る方法をより考えるようになりましたね。今、改めて感じているのは、やっぱり結果だなと。チームの勝利はもちろん大事ですけど、上位チームとアウェーで対戦したときには0-3、0-4で折り返すこともあるんですよ。そうした展開でも1点をもぎ取れるかどうか。次に繋がるという意味でも、自分の評価においても全然違う」
下位と対戦する時ほど難しいんです。
――10月の終わりくらいから2、3試合に1点取れるようになってきました。ベルギーのスタイルに慣れてきたということですか?
「いや、正直言うと、まだ掴めていないと思います。下位のチームと対戦するときほど難しいんですよ。実際、上位との対戦で取れている」
――確かにシャルルロワ、メヘレン、ヘンク、アントワープ、ヘントから奪っている。
「下位のチームって、うちには勝てると思っているからマークもしっかりしてくるし、ガチガチにやってくる。逆に上位のチームは、このくらいで勝てるだろう、っていう感じだから隙がある。しかも、強豪チームのアウェーって、日本では感じられないくらい雰囲気が凄くて、逆にテンションが上がります。7点中5点がアウェーですからね」