大山加奈のVolleyball is Life BACK NUMBER
大山加奈が東京五輪の対戦国を分析。
最強セルビア、宿敵・韓国へ対策は?
posted2020/03/13 15:00
text by
大山加奈Kana Oyama
photograph by
AFLO
新型コロナウイルスの感染拡大の余波が、バレーボール界にも広がっています。
2月29日の男子Vリーグ決勝が無観客試合になり、同日のV2リーグはシーズン佳境だったにも関わらず中止。そして3月14、15日に無観客で開催されるはずだったチャレンジマッチも中止になりました。
2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた時も、決勝、チャレンジマッチが中止になりました。私は現役を引退していましたが、初優勝がかかるJTマーヴェラスと4連覇がかかった東レアローズの決勝が中止になった時の選手、スタッフの落胆を知っています。なかなか前を向くのが難しい時期ではありますが、ここですべてが終わったわけではありません。
国内のクラブシーズンから、世界を舞台にした日本代表シーズンへ。3月に入り、いよいよ男女日本代表が本格的に始動しました。
独特の緊張感漂うオリンピック。
今年の1月には世界各国の大陸最終予選が行われ、日本を含めた出場12カ国が決まり、2月には組み合わせが決定しました。
荒木絵里香選手が2012年のロンドン五輪以来となるキャプテンに就任した女子日本代表はケニア、セルビア、ブラジル、韓国、ドミニカ共和国と対戦する予選A組。B組には中国、アメリカ、ロシア、イタリア、アルゼンチン、トルコ。すべて予選を勝ち抜いてきたチームばかり、各組予選グループリーグを突破できるのは4チーム。熾烈な戦いです。
今回は東京五輪のグループリーグをプレビューしたいと思います。
日本が初戦に対戦するのはケニア。昨秋のワールドカップでも対戦し、ストレート勝ちを収めた相手です。オリンピックは他の国際大会とは異なる独特の緊張感が伴い、特に重要なのが初戦。最初の1戦をどう戦うかがその後を占う、と言っても過言ではありません。
私が初めて五輪に出場した2004年のアテネ大会。初戦でブラジルと対戦したのですが、記憶にあるのは、試合開始直後のテン(竹下佳江)さんのサーブがミスとなり、「あのテンさんでもミスをするほど緊張する舞台なんだ」と頭が真っ白になり、その後もあまりの緊張で何もできなかったことだけ。1つ勝つことで余裕も生まれるはずですので、最初のケニア戦で勝つことはチームにとって重要な意味を持つはずです。