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大山加奈が東京五輪の対戦国を分析。
最強セルビア、宿敵・韓国へ対策は? 

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大山加奈

大山加奈Kana Oyama

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posted2020/03/13 15:00

大山加奈が東京五輪の対戦国を分析。最強セルビア、宿敵・韓国へ対策は?<Number Web> photograph by AFLO

2月から代表活動がスタートした女子バレーボール日本代表。新型コロナウイルスの影響で3月に予定されていた海外合宿は自粛となった。

自国開催のメリット、デメリット。

 オリンピックは試合翌日が1日空き、また試合、というサイクルで予選グループリーグ、決勝トーナメントとあっという間に進んでいきます。かかるプレッシャーや緊張感から身体にかかる負担も大きく、ましてや誰も経験していない自国開催。その緊張感は計り知れません。

 開催国として出場する東京五輪。日本は最終予選を戦わず、出場することができました。1つの勝利、敗戦ですべてが決まるギリギリの戦いを経験せずに、じっくり時間をかけて臨めるのは確かに大きな利点です。ただし、それだけ追い詰められた状況で勝ち抜く強さ、大一番を乗り切った自信を持って臨む他国に負けない強さをどれだけ持てるか。

 少し大げさな言い方かもしれませんが、オリンピックに向けてすべてを注ぐアスリート、バレーボール選手にとってオリンピックをかけた最終予選はまさに命がけの戦いです。そして、敗れ去っていくチームの涙も見て、「必ず勝とう」と誓っています。

極限状態の合宿「落とすなら落としてくれ」。

 オリンピックに向け、合宿を続ける選手たちにとって、今は本当に苦しく、追い込まれるような毎日です。同じポジションの選手が活躍すれば気になるし、ゲーム形式の練習は誰が入るのか。1つ1つで一喜一憂する。私は「落とすなら落としてくれ」と最後は投げやりになっていたのですが、それぐらいに思わないと心が持ちませんでした。

 それだけの苦しい思いをして、ようやく立つことができるオリンピックの舞台。誰が選ばれるかはまだわからず、プレッシャーもあると思います。でも、選出された候補選手は皆、高いブロックに対しても打ち勝てる力を持っているし、高い技術、能力を持った選手ばかりです。

 願うことがあるとするならば、選手の能力が最大限に発揮できるバレーをしてほしい、ということだけ。高さで勝る相手に対しても思いきり攻める。そんな姿を見た子供たちが「バレーボールをやりたい」と思うような試合を見せてほしいと思っていますし、それができればどんな相手にも勝てる力はあると信じています。

【次ページ】 スポーツで元気を与えられるように。

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