バレーボールPRESSBACK NUMBER
石川祐希が今、大事にしている「欲」。
日本のリーダーになるための準備。
posted2020/03/24 19:00
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Itaru Chiba
世界中で拡散が深刻化している新型コロナウイルス。その感染拡大への対応として大規模イベントが中止・延期されている。イタリアでも3月9日、感染拡大を受けてコンテ首相が同国のスポーツイベントを4月3日まで中止することを発表し、イタリアスポーツ界にも大きな影響が出ている。現状で正式に中止となるのは4月3日までとされているが、4月中の再開は現実的ではないという見方も強まっている。
今季、セリエA・パドヴァでプレーするバレーボール日本代表の石川祐希もリーグ再開に向け、現地で状況を見守る1人だ。リーグ中断前まで19試合に出場し、242得点。チームの主力としてプレーしてきた。
本来であれば、今頃、今季目標の1つとして掲げていた「プレーオフ出場」に向けて、コートの上で躍動しているはずだった。現在、試合はもちろん、練習さえも行えない状況だ。幸い、「体調を崩すことなく、元気に生活することができている」という。予期せぬ緊急事態にも、「今は家でできることしかないので、できることを行って、次への準備を進めていくしかない」と現状を受け入れ、前を向いている。
ペットボトルを両手に持って。
試合はおろか、練習も行えない状況下でいかにコンディションやメンタルを保っているのか。どう対処しているか気になるところだが、所属事務所に追加取材したところによると、石川は自らコントロールできることに意識を向け、やるべきことを淡々と行っているようだ。
「専属のトレーナーにメニューをもらって、自宅で毎日2時間くらい、基礎的なトレーニングをしています。自宅にあるペットボトルをウエイトがわりに両手に持って、スクワット、片足のデッドリフトを行ったり、上半身は小さいペットボトルでプッシュアップ系の運動をしたり。決して十分だとは思いませんが、今できる最低限のことをやって、避けられない筋肉の衰えを最小限に抑える努力は続けていきたいと考えています」