フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
女子フィギュアを席捲するロシア勢。
バービー人形のような13歳の新星。
posted2020/03/11 19:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Akiko Tamura
3月2日から3月8日までエストニアのタリンで開催されていた世界ジュニア選手権では、ロシアが改めてその底力を見せつけた。
ペアでは表彰台、1、2、3位を独占し、男子では1位と3位、そして女子では1、2位を占め、結局4種目12個のメダルのうち8個をロシアが獲得という最終結果となった。
中でもやはり注目されたのは、現在女子で圧巻の強さを見せているエテリ・トゥトベリーゼのコーチング・チームの門下生である。
今シーズンはシニアの女子も、GPファイナル、欧州選手権の二大会でアリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワ、アレクサンドラ・トゥルソワとエテリチームの選手が独占したが、タリンでは女子の1、2位を占めた。
優勝したのは、13歳のカミラ・ワリエワ。
ロシアのカザン出身で、身長はまだ149センチだが、氷の上では大きく見えるのは頭が小さく、手足が驚くほど長いためだ。この中にどうやって人間の内臓が収まっているのかと不思議に思うほど胴が短く、まるでバービー人形のような体形である。
この体形で、4回転トウループを跳ぶ。
絵画からインスピレーションを得て。
SPの『鏡の中の鏡』は、エテリチームの若手コーチでもあるダニイル・グレイヘンガウスによる振付。
モスクワのプーシキン美術館が所蔵するパブロ・ピカソのバラ色の時代の作品、「玉乗りの曲芸師」からインスピレーションを得て作成したという。最初と最後のポーズがワリエワの恵まれたプロポーションを強調する美しい作品だ。
3ループ、2アクセル、3ルッツ+3トウループを難なく降りて、74.92でトップに立った。