フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
鍵山優真、銀でも「悔しくて複雑」。
フィギュア世界ジュニア男子詳報。
posted2020/03/09 11:40
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Joosep Martinson-ISU via Getty Images
3月6日、エストニアの首都タリンで世界ジュニア選手権男子の決勝が行われた。
日本の男子は鍵山優真が銀メダル、佐藤駿が総合6位という結果になった。期待されていたメダル2個にはいたらなかったものの、来季の日本男子の出場枠を最大の3枠獲得した。
SPでは鍵山優真が1位に立った。佐藤操コーチ振付、ピアノ協奏曲『宿命』で3ループ、3アクセル、そして3ルッツ(不正エッジ注意マーク)+3トウループを着氷。スピードに乗った高いジャンプで、リンク全体をまんべんなく使った質の高いスケーティングは、見ていて爽快感がある。
85.82を獲得し、やはりノーミスだった2位のアンドレイ・モザレフに1.51差をつけ、トップに立った。
フリーでミスがあるも2位にとどまった鍵山。
だがフリー『タッカー』では、冒頭の4トウループで転倒。素早く持ち直して3ループ、4+2トウループのコンビネーションを着氷した。最後に予定していた3アクセルがパンクして1アクセルになってしまったのは、痛かった。
フリーは145.93で5位。それでも総合231.75で2位にとどまった。会見ではこう語った。
「今日の演技に関しては、6分間練習から気持ちと体のタイミングが合わずに、緊張があってそれがミスにつながってしまいました。
今シーズン一番自信を持っていた4トウループを転んでしまってちょっとあせってしまったんですけど、すぐに気持ちを切り替えて2本目のコンビネーション、リカバリーすることができたので良かったなと思います」