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無双リバプールに不具合発生?
南野拓実は“停滞”を払拭できるか。
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph byGetty Images
posted2020/03/04 20:30
リバプール移籍後、初のフル出場となったFA杯チェルシー戦。前線でチャンスに絡むも、目に見える結果を残せなかった。
初のフル出場への評価は?
冬に加入後、初めてフル出場した南野については、数少ない光明と見ているようだ。
「拓実はとても良い出来だった」と52歳のドイツ人指揮官は話した。
「周囲の味方はもっと彼をうまく使うべきだった。もしネコ(・ウィリアムズ)が、ボックス際で何度か完全にフリーになっていた彼(南野)を認識していれば、もっと良い状況になっていはずだ」
こんな風に監督はあくまで25歳の日本代表アタッカーを擁護するが、現地メディアの評価は分かれる。例えば『イブニング・スタンダード』紙はチーム最低タイとなる4点をつけ、「深い位置で躍動し、これまでで最高のロベルト・フィルミーノらしい印象を与えたが、後半は完全に消えていった。この日本代表のレッズでのキャリアはスローな出だしだ」と綴っている。
足踏みしてもなお、プレミアリーグでは後続に22ポイント差をつけて首位を独走しており、30年ぶりのリーグ優勝に支障はきたさないだろう。しかし、国内の2つのカップ戦から姿を消し、チャンピオンズリーグでもタフな相手にやや劣勢に立たされている。
リバプールの思わぬ停滞の払拭に、南野が寄与してくれると良いのだが、果たして──。