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遠藤航の“待つことができる”才能。
ブンデス昇格へ、試運転は済んだ。
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2020/01/16 08:00
東京五輪オーバーエイジ枠の有力候補ともされる遠藤航。ドイツの地でリーダーシップと中盤としての能力が花開くか。
3年前に1部復帰を決めた時のこと。
順応するための試運転期間は過ぎた。スタメンの座を確立して、アンカーとして自分の良さを出していくために、そしてシュツットガルトで昇格を果たすために、これまで以上に中心選手としての自覚を持ち、自分がやるべきプレーと向き合っていくことが求められる。
ふと、シュツットガルトが3年前に1部復帰を決めた直後の風景を思い出した。
試合終了後のホームグラウンドは、歓喜のあまりスタンドからなだれ込んできたファンで埋め尽くされていた。
選手の何人かはベンチの上によじ登り、ファンと一緒に喜びのコールを繰り返していた。いつまでも止むことなく、何度も何度もクラブソングが歌われる。圧倒的なほど、人から発せられるエネルギーが煌々と光り輝いていた。
4カ月後、またそんな景色が見られるのだろうか。ひょっとしたらその中心に遠藤がいるのだろうか。昇格の立役者として遠藤の名前が何度もコールされる、そんな光景をぜひみたい。