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第1回目のレフ・ヤシン賞の受賞者。
リバプールGK、アリソン独占取材!

posted2020/01/15 15:00

 
第1回目のレフ・ヤシン賞の受賞者。リバプールGK、アリソン独占取材!<Number Web> photograph by Benjamin Schmuck/L'Equipe

『フランス・フットボール』誌の取材を受ける、レフ・ヤシン賞の第1回受賞者のGKアリソン。

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パトリック・ソウデン

パトリック・ソウデンPatrick Sowden

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Benjamin Schmuck/L'Equipe

『フランス・フットボール』誌は2019年から最優秀ゴールキーパー賞としてレフ・ヤシン賞を創設し、記念すべき第1回の受賞者にはブラジル代表のアリソン(リバプール)が輝いた。

 10名の候補者リストから3名連記でおこなわれる投票(1位に5ポイント、2位に3ポイント、3位に1ポイントを付与し、最も多くのポイントを獲得した選手が受賞)では、全投票委員176人中144人が1位に推し795ポイントを獲得。2位テア・シュテゲン(284ポイント/バルセロナ)、3位エデルソン(142ポイント/マンチェスター・シティ)に大差をつけた圧勝だった。ちなみに筆者(田村=投票権を持つ)も、迷うことなくアリソンを1位に入れた。

 2019年バロンドールが発表された『フランス・フットボール』誌12月3日発売号では、男女の受賞者(リオネル・メッシとメーガン・ラピーノー)とならび、パトリック・ソウデン記者によるアリソンのインタビューも掲載されている。それが他と異なるのは、提示された写真を見ながらアリソンがそれぞれの人物について語るという形式がとられていることである。

 同僚のGKたちに受賞を捧げると語るアリソンが、ゆかりのある人々の写真を見返しながら彼らの思い出を語りつくした。それはまた、いかにして最強のGKが生まれたかというひとつの物語でもあった。

監修:田村修一

「曾祖父も父もGK。母はハンドボールのGKだった」

●ムリエウ・ベッカー(実兄。インテルナシオナルなどでプレーし、現在はフルミネンセに所属)

「ああ、僕の兄貴かい。もちろん彼が僕に似たのではなく、僕が彼に似たわけだ。彼が僕のためにしてくれたことは、言葉で言い表せない。本当にいろいろ助けてくれたし、今も力になってくれている。それもサッカーだけに限らない。実生活においてひとりの人間になる過程、善良な人間になる過程で彼が果たした役割は計り知れなかった。

 父と母にとっても、兄は最も頼りになる人間だ。僕も助言が欲しいときや、人生の何事かを話したいときにはいつも電話している。

 インテルナシオナルでは彼がNo.1GKで、僕はチーム最年少の若手GKだった。実の兄弟ふたりが同じクラブに所属するのも珍しければ、ポジションが同じGKというのはさらに珍しかった。ある意味状況は複雑だったけど、僕は彼より5歳若かった(現在27歳)から、両親はあまり気に病んでいなかった。兄がスタメンで、僕が若いにもかかわらず控えでベンチ入りするのを親たちは喜んでいたんだ。

 GKとは何であるかを家族はよくわかっていた。曾祖父も父もGKだったし、母はハンドボールのGKだった。今はムリエウの息子もGKでプレーを始めたからね。

 ある日、ムリエウが負傷して僕が正キーパーに抜擢された。誰もが兄の復帰に力を注ぎながら、僕に対しても全力でサポートしてくれた。たしかにあのときふたりはライバルの関係だったけど、子供のころから家ではいつもサッカーやゲームをやっていた。つまりずっと競争していたわけだ。兄の方が年上だったから、彼が勝つほうがずっと多かったけどね(笑)」

【次ページ】 「彼をライバルだと思ったことは一度もない」

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