フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ネイマール独占インタビュー!
バロンドール、メッシ、W杯を語る。
text by
アントワーヌ・ブーロン&ティエリー・マルシャンAntoine Bourlon et Thierry Marchand
photograph byJonas Unger/L'Equipe
posted2020/01/01 20:00
「本当のネイマールとは?」の質問に「僕はほとんど誰にも理解されていない! 真実のネイマールはもの静かで穏やかだ」と即答。
キャプテンには向いていないと告白。
――それではチームのリーダーは、模範的な存在であるべきだと思いますか?
「模範的ってどういうことかな? 完ぺきな人間が存在すると思っているのかな? 完ぺきなのは神様だけだろう。人はそれぞれ欠点を抱えている。リーダーとはチームの勝利に貢献し、勝利に導くことができる人間のことだ。キャプテンもそうであるし、ゴールを決める選手もそうだ。それぞれが自分の特徴を持ち、自分なりのやり方でリーダーになり得る」
――ロッカールームのリーダーとピッチ上のリーダーの違いは?
「ふたつは確かに違うな……。ロッカーのリーダーの方が親しみを感じやすい。誰にも話しかけるし、周囲をよく笑わせる。
ピッチ上のキャプテンはチームを導く人物だ。チームメイトを鼓舞し、周囲をよく観察して状況を改善する。ただしそれは僕の性格にはそぐわない。試合中に僕はほとんど喋らない。
チアゴ・シウバは正反対で、ピッチ上の彼はモンスターだ。誰にも声をかけるうえにプレーも素晴らしい。本物のキャプテンといえる」
PSGでのムバッペとの関係は?
――キリアン・ムバッペはこの夏、あなたのPSG残留に全力を尽くしました。彼との関係はどうでしょうか?
「とてもいいよ。すごく仲がいいしピッチの上で常に助け合っている。彼はちょっと特別な存在だ。2人の間に競争意識はまったくない。どちらかがゴールを決めると、もう1人は心からそれを祝福する。僕らの関係は友情以外の何ものでもないし、仲間意識はとても強い。メッセージも常に交換しているよ。でもそうした関係にならないと、サッカーはうまくいかないだろう」
――練習ではどうですか?
「それはまた別だ。ミニゲームはよくやるよ。そこで競争意識を発揮するのは決して悪いことではない。自分を高めてくれるし、レベルアップにもつながる」
――ふたりの関係は、あなた方の性格によるものだと思いますか。ボール遊びが大好きなふたりの子供のような……。
「(微笑みながら)僕らはサッカーが大好きで、ずっとボールと遊んでいたい子供のようなものだと思う。ドリブル、ゴール、祝福……。ピッチの上で常に幸福でいたい。そんな風にサッカーを捉えているし、そう思いながら勝利を目指してすべてを捧げている」