フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ネイマール独占インタビュー!
バロンドール、メッシ、W杯を語る。
text by
アントワーヌ・ブーロン&ティエリー・マルシャンAntoine Bourlon et Thierry Marchand
photograph byJonas Unger/L'Equipe
posted2020/01/01 20:00
「本当のネイマールとは?」の質問に「僕はほとんど誰にも理解されていない! 真実のネイマールはもの静かで穏やかだ」と即答。
「ほとんど誰にも理解されていないね!」
――人々はあなたについてああだこうだと言いますが、本当のネイマールはどんな人物なのでしょうか?
「ほとんど誰にも理解されていないね! 本当の僕を知るのは両親と、親しい友人たちだけだ。人々が目にする僕の姿は、本来の僕とはまったく異なる。本当の姿を見せる機会はほとんどないからね。真実のネイマールはとてももの静かで穏やかだ。家族や友人たちと一緒に過ごすことを好む。外から見ただけでは、その人間の本当の姿を理解するのは難しい。でも、まあ仕方がない。僕もそれは良くわかっているから……」
――サッカー選手であるあなたと、ひとりの人間としてのあなたの間には明確なコントラストがあるのですね。
「選手としての僕はパーソナリティが確立していて誰もがそれを知っている。でも人間としての僕は、繰り返すがずっともの静かなんだ!」
「プレーこそは僕の人生そのもの」
――サッカーの世界に居心地の良さを感じていますか?
「プレーとしてのサッカーは常に楽しんでいる。でもその周辺には、煩わしいことがたくさんある。例えば人種差別がそうだ。デンティーニョとタイソンに起こったこと(ともにシャフタール・ドネツク所属のブラジル人選手。ウクライナリーグの試合で差別事件の犠牲者となった)やマリオ・バロテッリに起こったことは決して許容できない。心が痛むし、変えていかねばならないと思う。
ただ、プレーに関しては何もない。プレーこそは僕の人生そのものだ。僕という存在の一部であり、僕はピッチの上でこそ(プレーで)雄弁に語れるし自分を表現できる」
――しかしそのレベルに至るまでには、強いメンタルが必要だったのではないですか?
「その通りだ(笑)。気持ちが強くなければサッカーでは決して成功できない。多くの逸話が語られて、そのほとんどが嘘八百で僕には到底承諾できないものばかりだ。だからこそメンタルが強くないとやっていけない」