セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER

セリエAの“忘年会事情”が面白い。
着こなしで「8点」の高評価は誰だ。 

text by

弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2019/12/25 15:00

セリエAの“忘年会事情”が面白い。着こなしで「8点」の高評価は誰だ。<Number Web> photograph by Getty Images

ユベントスの忘年会、つまりはクリスマスパーティーの一幕。ブッフォンやキエッリーニらも洒脱な装いだ。

一方、ユーベは厳かで緊張感が。

 一方、王者の忘年会は厳かで格式に満ち、ややもすると緊張感を伴うものだ。

 今月16日(月)、「ユベントス・フットボール・クラブ株式会社」は例年通りサヴォイア王家の狩猟地跡にアニェッリ家が創設した高級ゴルフリゾートで夕食会を開催した。

 フォーマルな場所だけに、庶民派でスーツ嫌いのサッリ親分も濃紺の上下で出席。C・ロナウドは紫のラメ入りパーティースーツで会場入りした。

 アンドレア・アニェッリ会長の従兄弟であるフィアット・クライスラー・グループ総帥ジョン・エルカンも出席していた。本物のVIPである経済界の大物が同席したことで、“もし話しかけられたら、言葉遣いに気をつけねば”と、気を引き締めた選手も多かったはずだ。

 アニェッリ会長は乾杯前のスピーチで静かにすごんだ。

「新年もあらゆるコンペティションでタイトルを目指すのが我々のミッションだ」

 ユーベは、その3日前には育成部門全体のクリスマスパーティも催した。会場となったアリアンツ・スタジアムには会長を初めネドベド副会長、パラティチSDなどフロント陣が集結し、少年たちに訓示を述べた。余興と軽食の後、ゲストに招かれたトップチームの主将キエッリーニがサイン攻めにあったことは言うまでもない。

微妙に気まずいナポリの忘年会。

 パーティには作り笑いが必要なときもある。

 経営陣と現場が一堂に会する場であるがゆえに、ナポリの忘年会には微妙に気まずい空気が漂った。デラウレンティス会長と選手たちは“冷戦”の真っ最中なのだ。

 今季は国内リーグでの成績が振るわないが、秋に組まれた合宿の続行を選手たちが拒否。一連の反抗的行動を自身と会社への重大な背反行為と見なした会長は、選手たちに総額250万ユーロに及ぶ多額の罰金を請求している。

 前監督アンチェロッティが解任されて、新監督に就いたガットゥーゾは、初陣の16節パルマ戦で後半アディショナルタイムに決勝点を献上して黒星スタートに。新指揮官は、ナポリ湾を見下ろす高台の城に集まった総勢125人の前でマイクを握った。

「この苦境から皆で力を合わせて抜け出さなきゃいかん」

 悲痛な訴えは、選手たちの心に届いたか。

【次ページ】 銀座No.1ホストのような男は……。

BACK 1 2 3 4 NEXT
インテル
ユベントス
ナポリ

海外サッカーの前後の記事

ページトップ