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スターリング&ケインが中堅扱い?
注目のイングランド若駒を一挙紹介。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2019/11/26 11:40
ロシアW杯でも若き力の台頭が目についたイングランド。育成年代の成功がサッカーの母国復権の足掛かりとなるか。
アーノルド、ラッシュフォードも。
負傷で戦列を離れているアントニオ・ルディガーが戻り、エンゴロ・カンテが万全になれば、守備も多少は安定するに違いない。
いまは欠点に目をつむり、若手の攻撃力を存分に引き出そうと懸命だ。ミスをするたびに目くじらを立てていたら、信頼関係は一生かかっても構築できない。
チェルシーが誇るヤングブラッズの台頭は、イングランド代表にも好影響を及ぼしている。ガレス・サウスゲイト監督みずから、もしくはスタッフがチェルシーの試合をつぶさにチェックし、マウントとエイブラハム、トモリをヨーロッパ選手権予選に招集した。
また、レスターにも興味津々で、23歳のジェイムズ・マディソンと22歳のベン・チルウェルにも「主力と考えている」と期待は大きい。
さらに、リバプールのトレント・アレクサンダー・アーノルドとマンチェスター・ユナイテッドのマーカス・ラッシュフォード、デクラン・ライス(ウェストハム)もカテゴリーはアンダー21だ。
スターリング、ケインはもう中堅。
この構造に当てはめると、24歳のラヒーム・スターリング(マンチェスター・シティ)はもはや中堅で、26歳になったキャプテンのハリー・ケイン(トッテナム)は「アンクル・ハリー」とでも呼ばれるのだろうか。
こうしてイングランド代表は史上まれにみる群雄割拠の時代を迎え、定位置争いが激しくなってきた。
「ロシア・ワールドカップの実績はそれなりに評価するが、ポジションが約束されている選手はいない」
サウスゲイト監督も生存競争を歓迎している。前線ではケインやスターリングに一日の長があるとしても、ひとつ間違えばエイブラハムに、ボルシア・ドルトムントのジェイドン・サンチョ(19歳)に取って代わられる。