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スターリング&ケインが中堅扱い?
注目のイングランド若駒を一挙紹介。
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2019/11/26 11:40
ロシアW杯でも若き力の台頭が目についたイングランド。育成年代の成功がサッカーの母国復権の足掛かりとなるか。
29歳ヘンダーソンが精神的支柱。
中盤も同様だ。リバプールのジョーダン・ヘンダーソンは29歳。ケインとともにロッカールームを支える精神的な支柱だ。
しかし、ピッチ上のメインはよりテクニカルでスピーディーなマディソン、ライス、23歳のハリー・ウィンクス(トッテナム)に移りつつあり、ユナイテッドのジェシー・リンガードやトッテナムのエリック・ダイアーなど、成長が止まった20代半ばの選手は、サウスゲイト監督の興味も薄くなるに違いない。
最終ラインも右サイドはアレクサンダー・アーノルドに加え、22歳になったアーロン・ワン・ビサカ、左はチルウェルと24歳のルーク・ショー(ユナイテッド)、センターバックも20代半ばのジョン・ストーンズ(シティ)とハリー・マグワイア(ユナイテッド)が中軸だ。ヘンダーソンを含めて誰もが20代とは、凄い時代がやって来たものだ。
アーセナルもジョー・ウィロック、エインズリー・メイトランド・ナイルズ、ブカヨ・サカなど、将来を嘱望されるイングランド人の若者が数多く所属している。
ベッカムらが出始めた27年前の逸話。
ノリッチのマックス・アーロンズは、つい先ごろトッテナムを解雇されたマウリシオ・ポチェッティーノが、獲得を熱望した右サイドバックだ。フィル・フォデンも忘れてはいけない。「わがシティの最高傑作」とジョゼップ・グアルディオラ監督が惚れ込む逸材で、2000年生まれの19歳。必ずやイングランド代表のエースに登りつめるはずだ。
27年前、デイビッド・ベッカム、ポール・スコールズ、ライアン・ギグス、ニッキー・バット、ギャリー・ネビルのいわゆる<ファギーズ・フレッジリングス>が大挙してデビューしたとき、解説者のアラン・ハンセンは冷笑を浮かべながらこう言った。
「ガキどもに何ができるっていうんだい」
ユナイテッドはリーグ優勝を飾り、ハンセンは赤っ恥を欠いた。