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ファーストタッチにダイレクトパス。
腰痛から復帰の香川真司が劇的変化。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2019/11/21 11:10
11月16日スペイン2部第16節、アルバセテ戦にトップ下で先発した香川。決定機を惜しくも逃し、71分に途中交代した。
チームの勝敗への責任を負う。
もちろん、大きな期待は、チームの勝敗への責任を負うことの裏返しでもある。勝てなければ責任を負うのは監督だが、香川もまた批判される立場にある。
「しっかりとゴールを取りきらないといけない。サッカーとはそういうものだと思うし、そういう流れを自分自身で作っていけるようにしないと」
そう振り返った一方で、香川はこう話した。
「僕がやらないといけないのは……やるべきことを、しっかりとやり続けていくこと。ポストにあたったことは、『一歩前進』ということで。そんなことに満足してはいけないのかもしれないですけど、次につなげていきたいと思います」
「一歩前進」というのは、過大な表現でも、前を向くためにひねり出した言葉でもない。ここに来てようやくパフォーマンスを上げてきているのだ。
それらははっきりと数字に表れている。
劇的にプレーが改善した。
香川は11月3日の第14節ラスパルマス戦を腰痛のために欠場したのだが、その試合をはさんで、パフォーマンスが明らかに変わってきた。
劇的に改善しているのが、味方からのパスを引き出す一連のプレーだ。
香川が、相手陣内でどれくらいパスを受けているのか。以下に、開幕からの3試合、欠場した第14節の直前の3試合、そして復帰後の2試合と比較していく。
最初の3試合: 68.6%
欠場前の3試合: 52.8%
復帰してからの2試合: 82.9%
欠場前の3試合は、なんと半分弱を自陣に下がってパスを受けていた。その3試合と比べて、復帰してからの2試合は相手にとっては厄介になる相手陣内でパスを受ける回数が1.57倍も増えた。