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ファーストタッチにダイレクトパス。
腰痛から復帰の香川真司が劇的変化。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2019/11/21 11:10
11月16日スペイン2部第16節、アルバセテ戦にトップ下で先発した香川。決定機を惜しくも逃し、71分に途中交代した。
開幕当初とは質が雲泥の差。
ただし、香川のパフォーマンスと同様に、チームで取り組むサッカーの質は向上している。
例えば、テネリフェを下した8月17日の開幕戦。スコアは2-0だったが、試合内容は0-3だったとしてもおかしくなかった。ホームゲームで、それほどまで相手に押し込まれていた。
開幕当初に比べてチームとして披露するサッカーの質に雲泥の差があるのは、誰の目にも明らかだ。アルバセテ戦のあと、香川もこう語った。
「守備の連動性なども、確実に良くなっているので。内容的に良いところがたくさんあったと思っている。しっかりと、ポジティブに受け止めて次に進むしかないです」
若い選手に負けない速度で成長を。
実際に、サラゴサのシュート数は224本でリーグ最多を記録している。それでも、今の順位にいるのは、決定力に問題があるからだ。香川自身の総シュート数は23本で、全選手のなかで29位。ただ、90分あたりに換算すると2.02本で、これはトップ30にも入らない。
フィニッシュに絡む回数も増やしていかないといけないし、何より、その精度も上げていかないといけない。
確かに、リーグの中で平均年齢は25.6歳と最も若いサラゴサというチームのなかで、30歳の香川は経験のある立場だ。
しかし、周りの良さを活かそうとしてうまく立ち回ろうとする必要なんてない。大切なのは、若い選手に負けないくらいの速度で成長していくこと。その先にチームの昇格という目標も、一大決心をして2部にまでやってきた香川にとっての本当の幸せも待っている。