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ファーストタッチにダイレクトパス。
腰痛から復帰の香川真司が劇的変化。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2019/11/21 11:10
11月16日スペイン2部第16節、アルバセテ戦にトップ下で先発した香川。決定機を惜しくも逃し、71分に途中交代した。
ファーストタッチが生命線。
劇的な変化について、香川はこう語る。
「ファーストタッチというのは、本当に、自分の生命線だと思っているから。その前の1カ月は、その部分でブレていることがあったので。ここ1、2試合でもそうですし、練習のなかでも少しずつ手ごたえを感じながらやれているので。
今は自分自身を見つめなおすことができているというか……。だから、自分の強みを再確認しながら戦い続けていきたいと思っています」
例えば、2010年にセレッソ大阪からドルトムントに移籍して、クラブの9年ぶりのリーグ制覇に貢献したときのように、チームに劇的な変化を起こすことができればそれは素晴らしいことだ。
あこがれていたスペインの地で。
しかし、いきなり大きく変わるケースは非常に少ない。少しずつでも、ブレることなく継続していかなければ、大きな変化は生まれない。
しかも香川の場合、マンチェスター・ユナイテッドからドルトムントに復帰した2014年9月以降は、トップ下以外でプレーする機会も増えていった。トップ下で出場したとしても、周囲を活かすような役割を求められることが、圧倒的に多くなっていた。
そういった環境に別れを告げて、攻撃的なポジションの選手としてリスクを背負って、自らのプレーで試合を決められるような選手に戻ろうとしている。幼いころからあこがれていたスペインの地で。
その過程で、眠っていた感覚を呼び戻す部分もあるかもしれないし、新たに身につけなればいけない部分もある。いずれにせよ、一朝一夕には進むはずもない。
また、第4節終了時には2位につけていたサラゴサは、第16節のアルバセテ戦を落としたことで今季のなかで最低の10位に沈んだ(ただ勝ち点は、自動昇格の2位フエンラブラーダと5差しかなく、2位以下は混戦)。