プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「動くボール」攻略は3人だけ……。
プレミア12米国戦敗北で見えたもの。
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2019/11/13 12:00
8回、二塁打を放った鈴木は浅村の左前安打でホームに生還、1点差に迫ったが……。
唯一の全勝チーム、メキシコとの大一番。
逆に言えば動くボールに対して対応ができない打者は、いくら日本で実績があっても国際大会ではなかなか結果を残せないということだ。
だとすれば代表を選ぶ段階で日本での実績ではなく、そういう対応をできる打者をどこまで選別することができるか。
来年の東京五輪を含めた今後の代表選考という視点からすれば、改めて選手選びの一つのポイントがこの大会で明確になっているわけである。
「メンバーは代えられない。調子がいい悪いは言っている場合ではない。この打線をどうつなぐか。そこを考えるしかないと思います」
打開策を聞かれた稲葉監督はこう語る。
核の選手の一人の菊池が首の違和感を訴え途中交代したのが気になるが、米国戦で先発に抜擢されて1安打2四球とアピールした外崎修汰内野手に近藤、鈴木、浅村をどう打線の中で連結するか。
そして出場できればそこに菊池を加えた5人を並べて、これまで点だった打線をどこまで線としてつなげることができるのか。
唯一の全勝チーム、メキシコ代表との13日の一戦が、侍ジャパンの世界一奪取への大一番となりそうだ。