プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
オカダ・カズチカと飯伏幸太の計画。
ベルトをめぐる金と銀のメダル論争。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2019/10/17 11:30
G1優勝者として1.4東京ドームでのIWGPヘビー級挑戦権を持つ飯伏幸太。IWGPの通算防衛回数記録を持つオカダ・カズチカにどこまで通用するか?
新日は2日間で8万人と言うが……。
オカダは超満員の東京ドームを夢見る。
「こんなもんじゃない。端から端までぎっしり入っていた。売る切符が1枚も残っていなかったこともあった」
そんな話をオカダは誰かから聞かされたのかもしれない。オカダの知らない時代の1990年代のドーム満員伝説を、オカダ時代の超満員伝説に書き換えて見せる。そんな熱い思いがオカダから伝わってくる。
その勢いが感じられるように、オカダの声が元気に大きくなっている。「こんにちは」のあいさつも「かかって来い、この野郎」も。
2018年のドームでオカダは空席を指摘した。今年はメインイベントに出場できなかったが、今度はメインのリングに立って、客席を見回すことができる。
「満員じゃないんで、超満員なんで。新日本プロレス、ボクを有効活用してよと。こんなにお客さんを呼べるチャンピオンっていうのはボクしかいないんで」
主導権争いの手段にも見える「2冠」という言葉のマジックに警鐘を鳴らしながら、オカダは連日の東京ドーム超満員計画に思いを馳せる。
新日本プロレスは2日間で8万人という数字を掲げているが、オカダの描く数字はそれを大きく超えることになる。