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オカダ・カズチカと飯伏幸太の計画。
ベルトをめぐる金と銀のメダル論争。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2019/10/17 11:30
G1優勝者として1.4東京ドームでのIWGPヘビー級挑戦権を持つ飯伏幸太。IWGPの通算防衛回数記録を持つオカダ・カズチカにどこまで通用するか?
インターコンチは新日本のセカンド・タイトル。
インターコンチネンタル王座は新日本プロレスのセカンド・タイトルという位置づけで創設された。
それは今も変わらない。
オカダが改めて言わなくても、それは明白なことである。だが、かつて中邑真輔がその際立ったパフォーマンスと試合によって、このベルトの価値を高めたことも事実だった。ベルトの価値は持つ人によって変わる、というプロレス界の「格言」を実証したものでもあった。
飯伏は両国のリング上でオカダに詰め寄るように語った。
「ボクには、インターコンチと、そのIWGPヘビー級のベルトが必要なんです。いつまでも、あなたじゃ面白くないでしょ」
オカダに王者交代を迫る飯伏がいた。
「ちょっと長過ぎないですか。持っている期間が。まあ、これは(オカダが)最強だから、これだけ長い期間、持ち続けられるのであって、そこは本当に素晴らしいと、ボクも思っています。でもボクはそれをさらに越えて行きたい。最強の部分でも越えて行きたい」
飯伏は「必要なものだ」と言い切る。
飯伏はその思いを語り続けた。
「ボクはG1を優勝した次の日の会見からずっと言い続けているんですけど、インターコンチネンタルのベルト、そしてIWGPヘビー級のベルト、このふたつを同時に巻きたい。ここは今でも変わりません。それは、もっともっとプロレスを広めたいから。
でも、そのIWGPヘビー級のベルトに対して『ナメてる』とか、そういうのは何も思っていない。あとオカダさんに対しても『安い』とは思ってないです。むしろ『高い』と思っています」
飯伏は今、2つのベルトに異常な執着を見せる。
「必要なものだ」と言い切る。
新日本プロレスに復帰した頃は、インターコンチ1本のように語っていた飯伏だったが、新日本プロレスで戦い続ける以上、IWGP王座がほしくならないはずがない。