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小笠原満男が子供達に薦める親離れ。
大船渡での下宿とチャーハン選手権。 

text by

池田博一

池田博一Hirokazu Ikeda

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photograph byKyodo News

posted2019/10/08 11:30

小笠原満男が子供達に薦める親離れ。大船渡での下宿とチャーハン選手権。<Number Web> photograph by Kyodo News

大船渡高校時代、小笠原満男は全国高校サッカー選手権に出場した。その力の土台となったのが下宿生活だった。

新たに完成した鹿島ユース寮。

 2019年9月、鹿島アントラーズのユース選手たちが寮生活を行う、アカデミーハウスが完成した。

 1階廊下の壁面には、アカデミーに関わるアントラーズの歴代選手たちがシルエットのデザインで描かれている。

 こだわったのは、スパイク置き場と洗濯物置き場。これまでスパイクと洗濯物が山積みになることがあったため、広く見やすいスペースを取り、最大500足のスパイクを壁にかけられるようにした。

 

「施設が整っているのは理想です」

 さらに、10個のシャワー、大人数で使用することを想定して3つの浴槽が設置された。設計の段階から必要スペースを提示し、その上で進めた賜物だ。実は26年前にできた鹿島アントラーズのクラブハウスもそうだったが、最初に作ったときに想定していた使い方は、年月を経ると変化していくもの。その経験も踏まえ、時代に合った使い方をフレキシブルにできるような作りにした。

 食堂のテーブルにクラブエンブレムがあしらわれ、内外観全体にクラブカラーを統一して使うことで、クラブへの帰属意識を高めることも意図している。

 土のグラウンドで育ち、アフリカのブルキナファソへの遠征も経験した小笠原は、「何事も経験」とよく言う。はたして、下部組織の最新施設をどう見たのか。

「個人的に、なんとなく今まで環境が整い過ぎていても良くないという考えがあったけど、やっぱりいい施設があるに越したことはない。今やヨーロッパや南米では施設をしっかりするのは当たり前のこと。本当に体のことを考えたら、施設が整っているというのは理想ですよね」

【次ページ】 トップの練習をすぐ見られる幸福。

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