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高野連が示した球数制限の新規定、
「1週間で500球」は問題ないのか?

posted2019/09/27 18:00

 
高野連が示した球数制限の新規定、「1週間で500球」は問題ないのか?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

去年の夏の甲子園決勝で試合を終え握手を交わす大阪桐蔭と金足農業のナイン。吉田輝星(中央)の球数は新規定では引っかかっていた。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Hideki Sugiyama

 世の中が物凄いスピードで変化していく中で、高校野球の世界だけは牛の歩みのごとくである。

 日本高野連は9月20日に大阪市内で第3回「投手の障害予防に関する有識者会議」を開き、投手の球数制限について「1週間で500球まで」とし、3年間の試行期間を設ける方向性を決めた。同時に3連投の禁止、大会日程の緩和なども強く求める考えも示された。11月の高野連理事会に提出され、早ければ来春のセンバツ大会から導入される可能性があり、甲子園大会だけでなく夏の大会の地方大会や全国軟式選手権大会なども対象となる。

 会見に臨んだ中島隆信座長(慶大教授)は試行期間を設けた理由として「複数投手の育成、チーム作りに3年ぐらいかかる」とし、この間はルール化せずに検証し、不都合があれば「内容の変更もあり得る」と述べている。

 高校野球がようやく選手を守るために具体的な制限を設けることになったとも言える。

鈴木長官も釘を刺す。

「少しずついい方向に来ているんじゃないか」

 今回の決定にこう感想を漏らしたのは、かねてから甲子園絶対主義という価値観に疑問を投げかけ、選手ファーストを求めてきた鈴木大地スポーツ庁長官だった。

 この発言を評価といっていいかは分からないが、大事なのはここが終着点ではないと鈴木長官も釘を刺していることである。

「これで十分かというと、まだ議論の余地もある」

 導入された場合には現場の取り組みを注視し、検証が必要だという認識も同時に示した。

 それでは「1週間で500球」という制限は、実際にはどんな効果をもたらすのか。

 昨年の夏の大会で“金農旋風”を巻き起こした秋田・金足農業の吉田輝星投手(現・日本ハム)のケースではどうなるか。

【次ページ】 吉田輝星の場合、新規定では引っかかる。

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