熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
ブラジル人記者も笑うしかない、
PSG残留ネイマールに待つ茨の道。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2019/09/06 08:00
二転三転の挙句、結局パリにとどまることになったネイマール。その未来は明るいのだろうか。
レオナルドSDも頭を抱えた練習欠勤。
7月中旬以降、さらにネイマールがメディアを騒がせることになる。フランス、スペイン、ブラジルのメディアでネイマールがバルセロナ復帰を願っているとの報道が盛んに流れ始めた。
その一方でネイマール抜きのセレソンはコパ・アメリカで優勝。ブラジル国内では、「問題児がいなかったおかげで優勝できた」という声が圧倒的だった。
7月8日、パリ・サンジェルマン(PSG)はプレシーズンの合宿を開始したが、ネイマールはブラジルに居座ったまま。スポーツ・ディレクターのレオナルド(元鹿島)は、「クラブに無断で練習参加を怠った。しかるべき処分を科す」と憤懣やるかたない表情だった。
その中でネイマールは個人スポンサーのイベントで、「これまで、試合後のロッカールームで最も喜びを感じたのは、2017年の欧州CLラウンド・オブ16第2レグでPSGを6-1で下して勝ち上がったとき」とまで発言した。
この2つの出来事は、「もうPSGではプレーしたくない」という意思を明確に示したものと誰もが理解した。
バルサの破格の条件をPSGが拒絶。
それでもネイマールは1週間遅れてPSGのプレシーズンの練習に参加する。
ただそれと並行して、PSGとネイマールの獲得を希望するクラブとの交渉が本格的に始まった。ユベントス、レアル・マドリーなどもオファーを送って状況は日々動いたが、最終的に交渉先として残ったのはバルセロナだった。
8月30日、バルセロナは「1億3000万ユーロ(約151億円)+クロアチア代表MFイバン・ラキティッチ+フランスU-20代表CBジャン・クレール・トディボ+フランス代表FWウスマン・デンベレの1年間の期限付き移籍」をオファーしたとされる。これに、ネイマールが自ら2000万ユーロ=約23億円を上乗せした、という報道まであった。
しかし、PSGはこれを拒絶。交渉は決裂し、9月2日の移籍期限が過ぎ、ネイマールは心ならずもPSG残留を余儀なくされた。