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“世界一”が不在でも強い米国バスケ。
ポポビッチ流チーム作りで結束固く。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2019/08/30 19:30
ドノバン・ミッチェル(5番)、ジェイソン・テイタム(左)ら有望選手も出場するアメリカ代表。ポポビッチHCは短期間のチーム作りにも自信を見せた。
新シーズンへの準備を優先。
さらには、今夏に大きな移籍が相次いだことも影響している。新しい土地への引っ越しや新チームに慣れることを優先した選手も多い。
この数年、不動の王者だったゴールデンステイト・ウォリアーズが6月のNBAファイナルで敗れ、来季の優勝争いが混沌としてきただけに、自チームの優勝の可能性を感じ、新シーズンへの準備を優先した選手も多い。
アメリカ代表の責任者、ジェリー・コランジェロは、そんな状況について、「人生とはそういうもの。私たちは時代の変化に合わせて、フレキシブルに対応しなくてはいけない」と、辞退した選手たちを批判することを避けた。
「原因を考えるよりも、前に進む必要がある。何よりも、ここにいたい(代表としてワールドカップを戦いたい)という選手たちがいる。今はそれが一番大事なこと」と前向きだ。
現時点で“実績”がなくても。
実際、今大会でNBA選手の辞退が相次いだのはアメリカだけではなく、カナダやオーストラリアも中心選手が辞退している。そんな中で、どれだけ多くの選手が辞退しようとも、12人全員をNBA選手で揃えることができるのは、アメリカだけに許された贅沢だ。
現時点でオールスターに選ばれたことがなくても、近い将来オールスター、場合によってはMVP級の選手に成長する可能性を秘めた選手もいる。過去にも、2010年の世界選手権では若く実績がなかった選手たちが中心となって優勝を果たしたが、当時の“実績がなかった選手たち”とはケビン・デュラント、ステフィン・カリー、ラッセル・ウェストブルック、デリック・ローズら、後にMVPを取ったスター選手たちだった。
「ここにいる若手のうち何人かにも、あのときと同じように、その実力を発揮する機会がある。エキサイティングなことだ。才能や、戦う姿勢がある。私はとても楽天的に考えている」とコランジェロは言う。