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“世界一”が不在でも強い米国バスケ。
ポポビッチ流チーム作りで結束固く。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byGetty Images
posted2019/08/30 19:30
ドノバン・ミッチェル(5番)、ジェイソン・テイタム(左)ら有望選手も出場するアメリカ代表。ポポビッチHCは短期間のチーム作りにも自信を見せた。
ポポビッチHC「お互いに惚れることだ」
スパーズでは長年かけてじっくりチームを熟成させてきたポポビッチは、いつもとは違う短期間でのチーム作りに、やりがいを感じているという。
「何がこのチームにあっているのか、短い時間で見つけ出さなくてはいけない。でも、そのチャレンジが楽しいんだ」
期間が短いからこそ、練習時間と同じく大事なのは食事の時間なのだと、ポポビッチは強調する。
「みんなで食事に行き、コートを離れたところで時間を過ごし、家族のことなどについても知る時間は大事だ。このチームでは、NBAチームの仲間ほどお互いの妻や彼女、子供のことを知らないからね。電話(スマートフォン)を持たずに食事に行き、お互いについて質問を投げかける。短い時間だけれど、そうやって仲間のことを知る段階をすっ飛ばすわけにはいかない」
ポポビッチ流に言い換えれば、それは、チームの仲間に愛情を持つことだと言う。
「お互いに惚れることだ。そうすることで、お互いに対して責任を感じ、お互いを頼ることができるようになる。それができれば、世界一の才能が揃わなくても問題ない」