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“世界一”が不在でも強い米国バスケ。
ポポビッチ流チーム作りで結束固く。 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2019/08/30 19:30

“世界一”が不在でも強い米国バスケ。ポポビッチ流チーム作りで結束固く。<Number Web> photograph by Getty Images

ドノバン・ミッチェル(5番)、ジェイソン・テイタム(左)ら有望選手も出場するアメリカ代表。ポポビッチHCは短期間のチーム作りにも自信を見せた。

豪華コーチ陣が率いるチームの中心は?

 それでは、今回のアメリカはどんなチームなのだろうか。

 チームの中で知名度が高いのは、選手よりもコーチ陣だろう。

 サンアントニオ・スパーズを5回のNBA優勝に導き、リーグのコーチ・オブ・ザ・イヤーを3回受賞したグレッグ・ポポビッチがヘッドコーチを務め、マイケル・ジョーダンのチームメイトとしてシカゴ・ブルズの後期3連覇に貢献し、ヘッドコーチとしてもゴールデンステイト・ウォリアーズを3回の優勝に導いたスティーブ・カーがアシスタントコーチを務める。NCAAでビラノバ大を2回の全米優勝に導いたジェイ・ライトもアシスタントコーチに名を連ねている。

 選手の中では最も実績があるのがポイントガードのケンバ・ウォーカー(今夏にボストン・セルティックスに移籍)。オールスターに3回選ばれ、昨季はオールNBAサードチームにも選ばれている。大会前の強化試合4試合の平均得点(17.0)はチーム最多。彼と若手の成長株、ドノバン・ミッチェルが攻撃の中心となる。

有望選手に、適材適所のメンバー選考。

 FIBAの大会でフル代表のユニフォームを着たことがあるのは、ハリソン・バーンズとメイソン・プラムリーの2人だけだが、実はジュニア世代で世界を相手に戦った経験を持つ選手は多い。

 中でも、ジェイソン・テイタム(セルティックス)は、U17世界選手権では八村塁率いる日本代表とも対戦し、そのU17とU19で世界大会優勝を果たしている。今大会が終わる頃にはチームのベストプレイヤーとなるだけの素質を持ったオールラウンド選手だ。ウォーカー、テイタム、マーカス・スマート、ジェイレン・ブラウンと、同じセルティックスから4選手揃っているところも注目点だ。

 スターやスター候補ばかり集めたわけではなく、シューターのジョー・ハリスやポイントガードのデリック・ホワイトといった、ドラフト下位指名ながら、チームで必要とするスキルをもった選手が加えられているところにも、しっかりしたチーム作りの方針があることがうかがえる。

【次ページ】 スタッフ増員、急ピッチなチーム作り。

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