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市立尼崎は毎年沖縄代表を担当!
甲子園ブラバン「友情応援秘話」。
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2019/08/26 11:30
毎年沖縄代表校の友情応援を担当している市立尼崎。昨年は興南、今年は沖縄尚学を応援した。
「スーパーサイエンスハイスクール」つながり。
秋田中央→神戸
秋田中央吹奏楽部が、試合の2日後にコンクールを控えていたため応援を断念。文部科学省指定の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」つながりで、神戸に友情応援を依頼した。当日は秋田中央吹奏楽部のOB・OG約60人と、神戸吹奏楽部約70人の約130人で演奏。「君の瞳に恋してる」や「スモーク・オン・ザ・ウォーター」など、掛け声のタイミングなども事前練習が一度だけとは思えないほど息のぴったり合った応援で、野球部員も「いつもの応援を完璧に再現してくれてとてもやりやすい。ほんとうにありがたいです」と感謝していた。
沖縄尚学→市立尼崎
1981年から38年にわたり、甲子園に出場するすべての沖縄代表校の応援を担当しているのが、市立尼崎吹奏楽部顧問の羽地靖隆氏。通算130回以上アルプススタンドで指揮を振っており、吹奏楽部の指導者としては甲子園日本最多出場だろう。沖縄から甲子園に来るには多額の遠征費がかかることもあり、沖縄出身の羽地氏が沖縄県人会の会長から友情応援を頼まれたのがきっかけ。羽地氏が勤務していた中学校3校で16年、現在の市立尼崎で22年の長きにわたり、友情応援を続けている。「ハイサイおじさん」が流れるとアルプススタンドの熱気も最高潮。指笛が鳴り響き、ゴーヤーを持って踊る人が現れるなど、全出場校のなかでも最も郷土色あふれる観客席をリードし続けている。
明石商の応援には地元の中学校も。
ほかにも、宇和島東の友情応援に駆けつけた尼崎双星吹奏楽部は、昨年夏の甲子園では創成館の応援を担当。今回も慣れた様子で頼もしいサウンドを奏でていた。
関西の代表校は、交流のある地元の学校に助っ人を頼むことも多い。明石商吹奏楽部は、部員が少ないこともあり、甲子園に出場するたびに複数の吹奏楽部による合同応援でアルプススタンドに登場している。明石市吹奏楽連盟のイベントなどで、日頃から交流のある明石北高、明石清水高、魚住東中という「オール明石体制」で、元気いっぱいに「アゲアゲホイホイ」や『あまちゃん』のオープニングテーマなどを演奏した。